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このしんどい社会で楽に生きる術を探して

ソシャゲを例にして神話論理は現代社会にこう使える! というテーマで共同研究をしよう。できたら最終的に一般書籍にしたいね!という計画を、先輩や若手研究者の卵たちと楽しく練っている。

ゲームから読み解く神話論理本が世に出たら、アカデミズムの世界に限らず、生きづらさに苦しむ人たちにアプローチできるね!というのが私たちのモチベーションだ。

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数年前にアカハラ&パワハラが原因で派手に身体を壊して以来、人生観が大きく変わった。

ヒトに与えられたリソース(寿命、体力、能力、身体特性、資金など)がいかに限られているかを悟った。
この限られたリソースを何に費やすかについて考えなければと思った。

できるなら、例え立場や賃金が保証されていたとしても、成果報告や大学行政、授業に追われて私生活を犠牲にする既存の学者にはなりたくない。

冒頭であげたソシャゲと神話論理を繋げる様な、クリエイティブかつ有意義な面白い仕事に人生のリソースを割きたい!
だから私は、しんどいこと、くだらないことをなるたけ遠ざける生き方を構築することを今年の目標に掲げている。

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前記事で取り上げたツイートみたく、4月は書類作成や予算計上が嫌で嫌でたまらなくて、早く終わらせねばとわかっていながら全く動けず、結果として激しい胃痛頭痛に襲われていた。

私は情報をアウトプットするのが好きだ。
(だからnoteや小説などに手を出している!)
一方で、外部から設定された規定や〆切に間に合う様に自分のスケジュールを変えるというのがすごく苦手。

書類作成というタスク自体は嫌いではなくて、作業自体はすぐに終えられることがわかっているからこそ、妙な罪悪感を抱え、それが心身の不調という形で出ててしまった。

不調の原因を解消するためには、〆切に間に合わせるためにヒイコラ言って苦しまなければならないのがわかっているから、手をつけるのが憂鬱だったのだ。そんな自分が惨めで情けなくて、辛抱たまらず先輩に泣きついたら、意外なことばが返ってきた。

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自分のペースで本領発揮できる人にとっては、外のわけのわからないスケジュールはしんどいものだよ。
過去の経験やトラウマから、すごく理解のある人と一緒じゃない状況だと、得意の作業でもパニックになりやすかったりはよくあると思う。

あなたの言う通り、人生でもてるリソースはとても限られている。
自分にとって心地良い環境の中で、安心して仕事や趣味に没頭できる環境を選ぶようににしないと、やっぱりロスも多い。やがては病気にもなるし、死ぬよね。

あとね。仕事でもらう有能だ!とか人間できてるって評価は、大抵の場合は「だから仕事押し付けて良い人」にすり替わるから気にすんな!

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目から鱗だった。これは精神論で解決する事案ではなくて、純粋に体力と熱量が諸々の原因で不足していたからなのだ!要はガス欠。つまりは、労働環境の問題だったんだ。

多くの場合、〆切は守られない事が前提で余裕もって設けられてる。
誰かひとりが病欠などでスケジュール通りに動く事ができずに一切の業務が止まってしまうプロジェクトは、そもそも破綻しているのだ。

それでも〆切破りに自己嫌悪しちゃうのは、長年の学校教育でこれを倫理に関する問題だと叩き込まれてきたから。
その実は、戦後の日本社会が、学校教育やその後に属する社会集団を通じて培ってきた認知の歪みに過ぎないのだ。

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この世は苦界で憂き世でまやかしで、世にはばかるほとんどのことはくだらない事だ。身体を壊してからそれを痛感している。
そんな現世で、寿命を含めた自分がもっている限られたリソースは、その人にしかできない固有の、創造的な仕事に割くのが幸せな人生の在り方なんだと個人的には思う。

今の日本社会にまかり通っている効率主義と不正義にまともに向き合ってしまうと、確実に心身を病んでしまう。
頭ではわかっていても、長年にわたって刷り込まれた価値観や罪悪感はなかなか消えてくれなくて、先輩のことばでようやく目が覚めた。

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では、私自身と、私と近い部分で苦しんでいる若い世代に対して具体的に何ができるのか? ここで冒頭の共同研究に話が戻る。

ゲームもそうだけど、サブカルチャー(近代に遡ると文学もかな?)に命を何度も救われてきた身である私だ。
効率を神とする今の社会において「役に立たないもの、くだらないもの」として退けられているコンテンツにこそ、かつてレヴィ=ストロースが提唱した神話論理の様な、世界の真理に迫る欠片があるんだ!と見せつけてやりたい。

その為の下準備の場としてここを使うという試みを、今まさにしているのだ。

#対人関係 #認知の歪み #労働 #ハラスメント #神話論理 #ソシャゲ


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