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赤ちゃんの声(ひなてこ)

赤ちゃんが生まれて半年経った。早い。早すぎる。ついこの間まで3ヶ月だったのに!
この『吹けよ春風』に参加した時はグラグラだった首もすわって、ゴールデンウィーク中にはごろんごろん寝返りを打つようになった。寝かしつけようとしているのにベッドの中ですぐうつ伏せになってしまうので、何度も何度もひっくり返してお煎餅屋さんは大忙しである。諦めてうつ伏せで寝かせてもいいんだろうけど、うつ伏せ寝は突然死のリスクが上がるのでできればやりたくない。まだ一方向にしか寝返り返り(うつ伏せから仰向けに戻る方の寝返り)ができないので、ベッドの端に来てしまうと自力では戻れないし。

そんなふうに何か不満がある時や、私の姿が見えなくなった時、はたまたテンションが上がって楽しい時、何の理由も見当たらない時、あらゆるシチュエーションで娘は「キャーッ」と絶叫する。これが脳天を突き抜ける「キャーッ」なのだ。数ヶ月前の「キャーッ」はとてもかわいくて、「イルカの赤ちゃん」なんて呼んで喜んだりしていたんだけど、体が大きくなるにつれどんどん声も大きくなり、マックスのボリュームで裏声を叫ばれるとリアルに耳がキーンとする。私がこの攻撃を食らっていると「(むすめ)の ばくおんぱ!こうかは ばつぐんだ!」みたいなことを夫が言ってくる。ポケモン?「ハイパーボイスっていうのもある」とのこと。

今日も6ヶ月健診の診察中に大人たちが12ptくらいで喋っているところ突如96ptで「ギャ」と一声叫び、先生をビビらせていた。ちっちゃい声で「わ〜びっくりした…」と仰っていたので申し訳なかった。

これが怒っている声ならばまだ機嫌を損ねないようにしようなどと思うところだけど、そうでもないのが難しい。最近は声を出して笑うことも増えてきたんだけど、赤ちゃんの爆笑する声って泣き声と全然区別がつかないのだ。「だひゃ、g、ぎゃ、ぎゃひゅ、ぎゃh、g、ギャーッ(絶叫)」みたいな感じで笑う。びっくりするくらいダミ声なので、いつも「わーおじさんだねーたのちいねー」と声をかけてしまうんだけど、ごく稀に「ぷーぱっ♡」みたいなとんでもない可愛さの声を出してくれる時もあり、緩急の差が激しい。オーディエンスの心をつかむ方法を熟知している。

ふと久しぶりにボイスメモを開いたら、「3ヶ月(107日目)の泣き声」というデータが入っていた。再生してみるともちろんその当時の赤ちゃんの泣き声が流れてきた。22秒。記憶を辿ると、この日は私の誕生日プレゼントとして産後初めて近所のスーパー銭湯&オイルマッサージに行った日で、私のソワソワを赤ちゃんが感じ取ってしまったのかいつもなら寝ている時間に起きて大泣きして夫を困らせたのだった。家に帰っておっぱいをあげても泣き止まず、おむつを変えたり抱っこしてゆらゆらしたり家中歩き回ってもずっと泣いていた。もうなんで泣いてるかわかんないなーと思って、そんな日もあるよね、となんとなく記念に録音したのだった。


いつからかこんな風に訳も分からず泣くことも少なくなってきた。そろそろ夜泣きが始まる頃だろうか。いつかその声すらも懐かしく思う日のために、今度大泣きしたらまた録音しようと思う。


Author:ひなてこタツノオトシゴが好き。痩せやすいのは産後半年までと聞いていたがはちゃめちゃに肥えたまま半年が経ってしまった。来週リングフィットアドベンチャーが届く。

Twitter @Hinatic

ブログ「海を走る氷の馬」https://www.hinatic.club/

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