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スローダウンの勧め

明日から7月。
今年も半分が過ぎようとしています。
なんと、時間が過ぎるのが速いのでしょう。

時間を早く感じてしまうのは、諸説あります。

人生経験が増えたせい? (もうずいぶん生きてきました。私)
やることが多すぎるから?(あれこれ詰め込みすぎ)
いつもと同じで刺激がないから?(背景のように過ぎてゆく)

加速する社会


時間の進み方を、どう感じているでしょうか。
コロナ期間中より、私は、早く感じます。

「あれもやらなきゃ。」
「これもまだ終わっていない。」
「ああ、もう週末だ。」

何かにせかされて、時間に追われています。

技術の進歩で、インターネットの通信スピードは格段に速くなりました。
メールもビデオ会議も自由自在。
買い物も支払いも、時間や場所に関係なくできる時代です。
距離と時間が、ぎゅっと圧縮され、
その分、忙しさが増しています。

知識は、すぐに陳腐化してしまいます。
理解して慣れた頃には、
情報が古くなり、次の知識が必要です。
経験で得た知恵や技術も、時代遅れとなれば、
焦燥感で、時間が足りません。

タイパ(タイム・パフォーマンス)もあります。
「時は金なり」とばかりに、
最短時間で終わらせて、時間を節約したい。
休憩時間は、スマホ片手で休憩にならない。
マルチタスク(並行作業)は、もはや当たり前です。

以前は、寝ている人もいた電車内も、
今は、座席のほぼ全員が、起きてスマホをみています。
本当は寝たいけど、スマホを見ているのかもしれません。
脳を休める時間は、ますます短くなっています。

すきま時間を埋めない

効率よく時間を使うことが、良しとされています。
すきま時間で、学ぶ、働く、調べる、楽しむ、投資する。
様々な、すきま時間を狙ったサービスやアプリがあります。

まるで、空間の有効利用のように、空き時間を埋めようとする。
現代は、時間を奪う方向に向かっているように思えます。

「何もすることがないと落ち着かない。」
「無駄な時間を過ごしたくない。」
「人から暇だと思われたくない。」

このような感情もありますが、暇は悪いことでしょうか?
時間にすきまがあった方が、ゆとりが生まれます。

現代は加速社会です。
このまま加速していけば、いったいどうなるのか?
脳が休まらない状態が続くと、いつか壊れてしまわないか?

ちょっと、怖くなります。
すきま時間を埋めようとせず、味わってみる。
スピードを緩め、スローダウンすることが必要です。

スローダウンして整える


私は、レジリエンスを研究しています。
レジリエンスには、
回復力、柔軟性、弾力性、粘り強さなどの
特徴があります。

Bounce Back Better  (より良く跳ね返す力)
困難を経験しても、跳ね返して、さらによくなる状態です。

そのレジリエンスを高めるために、このような習慣があります。

  • 何もしない時間をもつこと。(脳を休める)

  • 働きすぎないこと。(休むのも仕事のうち)

  • 自然にふれたり、芸術作品を見ること。(感動で心理的資本を増やす)

  • いろいろな人と触れ合うこと。(つながりを感じる) 

ひと言でいうと、自分を整える時間です。

つまり、減速することで、レジリエンスは維持できます。
スローダウンを意識してみましょう。
加速する社会に、振り回されないためにも、
自分を回復させる時間は必要です。

メジャーで二刀流の大谷翔平選手も、よく寝ているとか。
スローダウンこそ、彼が活躍し続ける鍵かもしれません。

参考:「加速する社会」近代における時間構造の変容 
ハルトムート・ローザ
福村出版

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