見出し画像

映画「憧れを超えた侍たち」キャプテンのいない強さ

今年のWBC(ワールド・ベイスボール・クラシック)、
「憧れを超えた侍たちー世界一への記録」が、
6月29日まで公開されています。

私も早速、見に行きました。
WBCでの優勝のせいか、映画館は満席でした。

あの時の感動がよみがえり、
ほっこりするシーン、笑えるシーンもあります。
観た後はスッキリ爽快でした。

キャプテンのいないチーム

その侍ジャパンには、キャプテンがいませんでした。
あえて、キャプテンをおかない戦略で、全員がキャプテンになれ、
それぞれの強みが活かされたと思います。
戦略が見事に当たっています。

ひとり一人が自分がすべきことを考え、率先して行動する。
理想的な組織づくりの参考になります。

ティール組織とは

映画を見て、数年前に話題になった「ティール組織」を思い出しました。

参考:「ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現 」
フレディク・ラルー 英治出版

本の中では、組織の進化を「色」で表しています。
※ 色は区別のためで、特に意味はありません。

レッド
アンバー(琥珀)
オレンジ
グリーン
ティール(青緑)

と、組織が進化するわけですが、簡単に説明するとこうです。

レッドは、恐怖による統治、力で動かされている組織(マフィアなど)

アンバーは、指揮と統制の組織、短期計画を実行できる。
(軍隊、政府、学校など)

オレンジは、ルールがひとつではない、複雑な階層があり、長期計画が実行できる。(多国籍企業など)

グリーンは、平等と多様性を重視した共同体(合意重視の組織、コミュニティなど)

そして、ティールは、
全体性を重視し、個々が意思決定する組織(目的を共有した組織)です。

レッドからティールまで、
組織は進化していくというのが著者の考えで、
ティール組織は、最終型であり、目指すべき理想の組織です。

今は、オレンジが多く、中にはアンバーやグリーンもあるそうですが、
みなさんの組織は、何色でしょうか?

アンバー、オレンジ、グリーンが混在している。
最初はグリーンだったけど、今はオレンジになっている。
いや、ワンマン社長がいるのでレッドでしょ。

いろいろな色がありますね。
どの組織で働きたいですか?

ティール組織だった侍ジャパン

映画をみて、改めて、侍ジャパンはティール組織だったと思います。

「世界一になる」という共通の目標を共有し、
チーム全体が一体化していた。
全員がこの目的のために、行動していました。

例えば、
あの大谷翔平が、バントをしたり、
ダルビッシュ有が、自分の調整よりも若手投手を指導を優先させていたり、
投げること、打つこと、走ること、守ること、声を出すこと。

それぞれの選手が、その時々で、意思決定し、
世界一になるために、自分の強みを発揮していました。
コーチや監督は、選手の自主性を重んじて、
指示は最小限だったように思えます。
ティール組織でのマネジメントの在り方を見せてくれました。

ティール組織には、役職や階層がなく
いるのは、問題が起こった時の調整役だそうです。

ティール組織は幸せな組織

WBCの日程はかなりタイトで、
プレッシャーもあり、
スランプだった選手もいますが、
選手たちは口々に「野球をすることが楽しかった」と言います。

ウェルビーイング(幸せな状態)であることも、
ティール組織の特徴です。

「幸せであればレジリエンスも高い」

レジリエンスは、回復力があり、困難を経験して成長する力です。
英語では、Bounce Back Better(より良い状態に跳ね返す)
失敗から挽回するには、幸福感が必要です。

「世界一」という、達成したい目標があることも幸せなことです。

幸せな人ほど、打たれ強く、いろいろなことに挑戦している。
WBCでも、勝つために、様々な挑戦が見られました。

他にも、
同じスキルの人ばかりではなく、
違うスキルの人が集まったほうが、お互いに補完し合える。

多様性が活かされる「グリーン組織」の要素もあるのも特徴です。
確かに、個性の強い選手が多かったです。

ティール組織を目指すには

いやいや、侍ジャパンは別格でしょ!
あれは、一流の選手が集まったからで、意識高い系でしょ。
普通の組織ではなかなかできないと、思ってしまいます。

「目標だけを共有して、
目標達成のために、各自が考えて、主体的に行動する。」

なんだか、遠い理想に思えてきます。

そこで、考えてみました。

「もし、リーダーがいなかったら」
「指示をあおげないとしたら」
「自分はどう考えて、何を決めて、何をすべきか」を想像してみる。

実際、リーダー不在は、ままありますから、
想像したことは、現実になりえます。
自分がリーダーになる場面は、ある日突然くるかもしれません。

目標達成に向かって最善を尽くそうと思う人たちが集まって、
「自分ならこう考える」を各自が持っていて、
その考えが安心して仲間に言える。
その結果、各々が強みを生かして行動すれば、
ティール組織に近づくのではないでしょうか。

キャプテンを置かなかった侍ジャパンを、真似してみるのも良いかも。
そんな気がしてきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?