深島/でぃーぷまりんのめざすもの
はじめに -深島とは-
大分県の離島。
2022年現在、島民は13人。ねこは75匹ほど。
いわば、限界集落。
病院や商店はもちろん、自動販売機すらありません。
1日に3往復の定期船に車は乗せられず、島内の移動手段は徒歩。
それでも30分もあればだいたい島をまわれてしまうくらいの小さな小さな島です。
●でぃーぷまりんとは
そんな深島で事業をおこなっているのがわたしたち、でぃーぷまりんです。
でぃーぷまりんの主な事業は以下のとおり。
深島みそ/加工品製造
1組限定宿泊のおへや
カフェ
体験/アクティビティ
いま、この深島を守れるのはわたしたちしかいない、という強い使命感を胸にでぃーぷまりんとしての事業だけでなく、島の一員として、島づくりに携わっています。島で生きてきたご先祖様や島を離れてしまった人のためにも、これから島で暮らしていくかもしれない未来の島民のためにも、そして今島で生きる私たちのためにも、深島を守りたい。小さな小さな深島をおおいたの過疎集落における地域づくりのモデルケースにし、おおいたの活性化に貢献することが目標です。
●ミッション -Mission-
深島をなくさない
深島を無人島にしたくない、次の世代、後世にのこしたいというつよいおもいがあります。
島で生きてきた方々に敬意をはらうとともに、あこがれ、うらやましくもおもっています。
ご先祖さまたちが大切にしてきた深島を、これからも大切に想ってくれるひとをふやしたい、そして深島での生活がこれからも続くとうれしいと思っています。
●ビジョン -Vision-
① 島の関係人口をふやす
島を支えてくれる仲間づくり
深島らしさに触れる機会をつくる
深島を好きになってもらう
② いきいきと持続的に暮らせる島
自立したインフラや生活環境づくり
子どもたちの笑顔をまもる
病院・買い物などの利便性向上
小さいながらも、持続的にたのしく暮らしていける島を目指しています。
そのために、わたしたちでぃーぷまりんとしては島にかかわるひと、島が好きな人、ささえあえる仲間を増やすため、深島らしさを伝え、深島を好きになってもらうことをビジョンとして掲げています。
また、子どもたちの笑顔がいつまでもなくならない島、病院や買い物、学習面などの不安なく暮らせる島にするため、補助や税金に極力頼らない自立した島を目指します。
たくさん人が来ればいい ではない
島の関係人口を増やすには、交流人口をふやしたり、発信することが必要です。
また、観光といえば、人がたくさん来た方がいいよね!といわれることが多く、ほとんどの地域にとってはもちろんその通りです。
だけど、深島では、とにかくたくさんの人に来てほしい!とは思っていません。
お金が稼げたらそれでいいわけでもないし、ひとがたくさん来て島がにぎやかになるだけが目的ではありません。言葉にするのは難しいのだけど、ほんとうに深島を好きになってくれる人が、すこしずつ、すこしずつ、ふえたらうれしいな、と思っています。
だから、島に来てくれた方としっかりおはなしできるよう、宿泊のお部屋は1つだけ。
キャンプやグランピング施設つくればいいじゃん!といわれるけど、深島をただ消費するだけにはしたくないからいまのところする予定もないし、誰かがきて深島でそういう事業をするのなら、お互いがちゃんと理解して納得できるまで話し合う。
なによりも、これまで島で暮らしてきたご先祖様やばあちゃんたちには絶対に嫌な思いをさせたくない。そう思っています。
●理想の深島
深島
豊かな自然と生態系があり、のんびりとした穏やかな空気に包まれる。
あたたかく個性的な島民とねこたち、たくさんのいきものやしょくぶつがいきている。
農業や漁業、加工品の製造、観光サービス業などに関するしごとがある
インフラ
離島航路の赤字はなく、安定的な運営。(定期船か海上タクシーか、臨機応変に判断)
電気・ガス・水道は維持が自足的であまり税金にはたよらない
インターネット・Wi-Fi環境が整っている
教育・医療・買い物など
通学・通園(保育園は送迎支援あり)ができ、部活にも参加できる(高校は下宿かな)
フリースクールや体験学校の島内開催
塾や英会話などの習い事はオンラインで可能
遠隔診療がおこなわれ、薬の配達が速やか
地域の商店と連携した買い物支援があり、注文から決済、配達までがスムーズ
島内施設・設備
宿泊施設とカフェがあり、お客さんとの交流ができる
お試し移住を含む中長期滞在施設やワーケーションに利用できる施設がある
防犯カメラと島の様子を発信するライブカメラが設置され、オンライン上でいつでも深島の様子をみることができる
それぞれの施設やオンライン上で島民×来島者、来島者×来島者、深島のファンが交流できる仕組みがある
島民/関係人口
来島者との関係づくりがしぜんなかたちでできる
島の魅力・新たなサービスや観光がうまれる
島に住む人以外にも深島を想ってくれるひとが全国にいる
●どう維持するのか
仕事をふやす
いま、深島には漁業と製造業(深島みそと加工品)、観光業(宿泊施設、カフェ、体験など)があります。漁業や農業にはまだまだ可能性があると思っていて、実際に数十年前まで畑をしていた実績や今後の海の状況でどんな漁ができそうか、一緒に考えていけると思っています。観光業に関してはこれ以上大きくするつもりはあまりなく、深島にすこしずつ住民が増えたら考えればいっかな程度です。
わたしたちでぃーぷまりんは移住希望者を雇用することも考えています。
そして島のなかでもっとあれができる、これもできる、を増やしていきたいと思っています。
島で暮らすためにやらなきゃいけないことは多い
雇用の場も少ないし、産業といえるほどの産業はありません。だけど、みんな日々忙しい。
じぶんたちの仕事の他、ねこたちのお世話や草刈り、海岸の清掃、地区のトイレや集会所の掃除、郵便の配達に配布物、区長になればもっと仕事は多くなります。そして将来的には航路の維持や生活支援にも関わりたいと思っています。
今後、いまの区長世代が引退したら、いまみんなで担っていることをわたしたちがすべてやっていかなくてはなりません。
人がいなければできないこと、お金で解決できること、島に住んでいなくてもできること、それらをうまくわけ、それぞれ分担して行えることが理想です。
【深島島民】の拡大解釈
深島には仕事がありません。いや、あるんだけど、きっと、限界があります。
これから先、観光業だけで生きていくのは難しくなるかもしれない。
製造業や漁業・農業だけで生きていくのは難しくなるかもしれない。
深島にある資源と、守りたい深島と、これからのこと(人口が減っていくし、社会情勢もどうなるかわからない)を考えると、島民を増やすだけが島を守ることじゃない気がしています。
だから、私たちの考える「島民」はグラデーションになっていて
島に住む人
ちょいちょい滞在する人
定期的に訪れる人
みそや加工品を購入してくれる人や宿泊してくれるひと
オンラインコミュニティ島民
みたいに、いろんなかたちで深島を支えて守ってくれる人が増えたらいいなと思っています。
●さいごに
わたしたちは、深島をなくしたくないという想いで深島で事業を展開しながら暮らしています。
事業をおこなうだけでなく、子育てや生活にかかわるすべての仕組みや活動を、これからの未来にむけてつくっていきたいと思っています。
私たち家族が島からでるとき、わたしたちが最期をむかえるとき、
いまよりももっとたくさんのひとが深島を想い、深島を守ってくれていることを夢見ています。
深島での活動にサポートいただけるとうれしいです!ねこたちのこと(ごはんや治療など)、島の環境整備(ベンチの設置や清掃活動)に使わせていただきます🙏