逆噴射プラクティス私的覚書き②

【自分の投稿作品を確認しよう】

 スティーブン・キングは「一度書き上げた原稿は机の引き出しにぶち込んで半年ほど鍵を掛けておけ」(大意)と言う。
 
 執筆中、あるいは執筆して間もないうちは、作者の頭の中に、その物語に関する様々なイメージが渦巻いている。無論、文章には書かれていない情報だ。原稿には「効果的かな?」と思って使ってみた表現や技法もある。そんな時、自作を読み返しても私の眼にはどうしても"作者フィルター"がかかってしまう。

 原理的に「作者は純粋な読者として自作を読めない」のである。読者として自作を読む才能を有する者は幸いである。それは非常に強力な武器だ。だからこそ、そんな才能を持たない私は、自作を客観的に読むための努力を要する。その手段として手軽かつ有効なのは、キングが言うように時間と忘却の力を借りることである。

 せっかく書き上げたのだ。逆噴射小説大賞の【エントリー確認期間:11月1日〜8日】の間に、自分の過去投稿作を見返してみよう。合間合間に、見逃した他者投稿作を読み返すのもグッドなアイデアだ。それによって自作を相対化し、より客観的に眺めることができる。

 ドージョーの皆でカラテ・セッションを撮影し、一緒に確認するような作業なのかもしれない。オカメ・ハチモクの感覚を体験するのだ。

 流石に物語を一から、あるいは大きく書き直すのは本旨から外れてしまうだろう。ひとまず、初めてその作品を読む一読者になったつもりで、ざっと読んでみよう。面白い?面白くない?どう感じるか?この時の印象は重要だ。駄作のつもりだったものが意外に面白く感じたり、傑作のつもりだったものが駄作に感じられたりする。実際コワイ現象だ。

 次に、エントリーに関する形式のチェック。の逆噴射小説大賞公式マガジンに登録されているか、四百文字を超過していないか。【続く】は入れているか、タグに誤りはないか。

 それから、誤字脱字、語順、(意図的でない)同義語反復や構文の反復、句読点の位置(センテンスの意味が変わることもあるぞい)など基本的な事柄を確認してみよう。また作者として理解できても、読者の立場にから見ると意味が不明瞭な文章は無かったか。これも意図的なギミックは除く(※1)。

 難しいのは、ギミックがギミックとして効果を上げているか、工夫した表現が思惑通りの効果を上げているか、という点だ。この辺は始めは大して気にしなくても良いかもしれない。グレーターニンジャを目指すならばチェックしておく。

  こんな感じでゆるゆる読み返していこう。

 セミプロやプロの先生方はイバラ・ロードめいたデーモン朱入れを行っているのだろうか。実際スゴイ。イマジン……( ˘ω˘ )

※1 私が読んだ途端に「ナンデ!?」と圧倒されたすごい作品はゆめくらげ先生のジャズ相撲だ。一瞬視覚イメージが追いつかなくなるほどのインパクト。比喩も好きです。ケチャップ。

 原稿用紙500枚分の長編を書き上げて机の引き出しにぶち込み、半年間熟成させる。そう出来るようになりたい。逆噴射先生のように「兎に角、毎日スゴイ量を書く」べきかもしれない。ひとまず、いきなりフルマラソンの前にまず毎日ウォーキングをしようと思う。

【多分続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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