最高の表現者集団。ジャニーズらしからぬアイドル、SixTONESって知ってる?
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で話題となった、「稔さん」。稔さんを演じている松村北斗がジャニーズのアイドルだということはご存じだろうか。すっきり爽やかで整った顔立ちの彼は、アイドルというより役者顔である印象を受けるが、所属しているSixTONES(ストーンズ)ではにじみ出る色気でファンを魅了している。
「ああ、ジャニーズの話ね。」と思い、読むのをやめようとしたみなさん。そんなみなさんにこそ、この記事を読んでいただきたい。
というのも、SixSTONESはジャニーズの枠を超えた、アーティストよりのグループだからだ。これから彼らの魅力をお伝えするので、ぜひ一度曲やラジオを聴いてみてほしい。意外と好みにヒットする方が多いはずだ。
なぜこんなに自信満々におすすめするのか。それは、私自身がジャニーズを毛嫌いしていた人間で、結果として現在彼らにどっぷりはまってしまっているからだ。半年前にYouTubeで出会い、おしゃれでかっこいい曲を聴き、少年がふざけているだけのようなYouTubeを見て、はちゃめちゃな暴れまくりラジオを聴くことで、完全に彼らの虜になった。先日セカンドアルバムとツアー開催の発表があり、ついにファンクラブに入ってコンサートに申し込んでしまったくらいだ。
ジャニーズが苦手な原因は主に2つある。「可愛らしい雰囲気の男性に興味が無いこと」と「一辺倒の歌唱や可愛い子ぶったパフォーマンスに魅力を感じないこと」だ。両親の影響で、スピッツやミスチル、スガシカオ、B’sなどのバンドミュージックを愛して生きてきた私は、今でも実力派のバンド系アーティストに惚れてしまう。ジャニーズは完全にストライクゾーン外である。
そんな私がSixTONESに惚れ込んでしまった理由。それは彼らのパフォーマンスの存在感である。ステージをよく理解して、いかに映えるかを考えられているところや、楽曲への没入感が素晴らしいのだ。きっと音楽好きであったり、コンサートや演劇などの芸術系パフォーマンスが好きな方は、この感覚に必ず共感してもらえると思う。
彼らの楽曲にははっきりしたテーマ性が設定されており、その曲をただ歌って踊るだけではなく、メンバー個人ごとに曲の解釈をもって「演じて」いるように感じる。試しにYouTubeで彼らの楽曲をいくつか聴いてみてほしい。楽曲によって全く違う顔を持っていること、つまり、動きや表情、歌い方やフレーズごとの声色を完全に変えていることが分かる。
聴いてみるのが早いと思うので、タイプが違う人気曲をわたしの独断と偏見で以下6曲紹介する。
[1] Imitation Rain:しっとりかっこいいデビュー曲。京本大我のソロ。
[2] Strawberry Breakfast:キャッチ―なおしゃれ曲。ジェシーの足の長さ。
[3] Special Order:いかついイケイケ曲。田中樹の全力ラップ。
[4] Lifetime:心に染みる教会ソング。森本慎太郎の優しい声。
[5] フィギュア(YouTubeライブ映像):めずらしくポップな楽曲。高地優吾のアイドル笑顔。
[6] 僕が僕じゃないみたいだ(Dramatic Rearrenge):美声が活きる編曲版。松村北斗の繊細な歌い出し。
また、彼らのコンサート映像でマントやガウンを着ていることがあるが、ダンスでターンした際にそれらがきれいに回り、演出につながっている時もある。きちんと布の動きを想定してステージに映えるように動いているのだと思うが、そうした「ステージに立つ者」としての楽しませ方も上手い。
ここまで読んでくださった方にもう一押ししたいのが、彼らは男性でも楽しめるアイドルだということだ。デビュー曲の『Imitation Rain』はX JapanのYOSHIKIさんが、現時点での最新シングルである『マスカラ』はKING GNUの常田さんが楽曲提供をしている。聴いていただけば分かると思うが、楽曲の作りがかなり本格的でサウンドも落ち着いていてかっこいい。聴いていると一見単純に感じるのだが、実際に歌ってみると音域も広く音階の動きも繊細であることに気付くため、ダンスしながら歌いこなす彼らの実力を感じる。
そして、彼らは洋楽の要素がある楽曲を多く持っている。ドライブする際や部屋でごろごろする際に流すとリラックスして聴くことが出来る点も男性にちょうど良いのではないかと思う。(個人的にはLemonadeやMad Love、Make Upを聴いてみてほしい)それに加え、彼らのラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』もおすすめだ。彼らの男性ならではの暴走トークは女性より男性のほうが素直に楽しめる気がする。
ジャニーズにしては見た目が怖く見えがちなため、既存のジャニーズファンへのウケはあまり良くないかもしれないSixTONES。しかし、彼らの持つ表現力は楽曲の枠には収まらず、最近ではレギュラー番組の出演やドラマ、ミュージカルへの出演など、続々と活躍の場が広がっている。
私が思うに、彼らは国民的アイドルにはならないだろう(ファンの方は怒らないでいただきたい)。しかし、アイドルではなく表現者として、そしてアーティストとしてはさらに活躍するだろう。きっとそれぞれが異なる分野で国民的スターになるに違いない。そして、それぞれのスター性を持ち寄って、グループとしてもさらに飛躍していくだろう。そんな彼らを、私はつかず離れずのんびりと見守っていきたい。
さて、ここまでだいぶ語ってしまったが、ぜひみなさんも彼らに注目してみてはいかがだろうか。アイドルの概念を良い意味ではみ出して新境地を切り開いていく彼らを追い続けると、新しい発見や楽しみが生まれるはずだ。
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