花留多唄【す】スイートピー
スイートピーの別名は麝香豌豆(じゃこうえんどう)や、香豌豆(かおりえんどう)そして麝香連理草(じゃこうれんりそう)といいます。
麝香はジャコウジカという鹿のオスから得る分泌物を乾燥させた香料もしくは生薬のことで、ムスクとも呼ばれます。日本の一般医薬品の強心剤には大抵入っているかと思います。
とにかく別名すべてに香りとつくんですね。そもそもスイートピーも英語で「香りのいい豆」という意味ですから、芳香花として有名という話。実は実際に匂いをかいだことがないので、ちょっと興味があります。エドワード朝アレクサンドラ王妃に愛され、王朝を象徴するまでとなったそうですから、さぞ素晴らしいのでしょう。
今までスイートピーと対面することがなかった私は、スイートピーと聞くともう松田聖子の歌う『赤いスイートピー』しか浮かばない有様でして。
若くまっすぐな恋を歌い上げた名曲。そのスイートピーの花言葉には『永遠の喜び』『デリケートな青春の喜び』『至福の喜び』といったものが。確かにデリケートな青春の喜びの歌であった……。
しかしながら、スイートピーは意外にも有毒植物でもあります。そのせいか花言葉に『別れの言葉』『偽りの謙遜』『別離』『私を覚えていて』なんてちょっと湿っぽいものもあるんですよね。
『私を覚えていて』という祈りに似た気持ち、赤いスイートピーのような恋愛をした二人の『デリケートな青春の喜び』の後の『別れの言葉』だったりしてね……。
文字札:「好きよ」と隠しても匂い立つ
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