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うわのそらという自由
「うん」と言う代わりに「はい」と言ってみる飛行機雲を目で追っている
未補さん うたよみん2018年11月の作品より
一読して伝わるものがあります。「うん」「はい」などの呼びかけへの応答の言葉は読むものに強い関心をもたらし、呼びかけられた主になったように歌に入って行けます。加えて、上の句全体で急に冷めた関係性を表しているように思えます。これはわたしの感覚ですが、「うん」は何でも共有しあえる、好
ともえ夕夏さまの歌より
消しゴムのケースをはずすやうにしてまだ真っ白な吾に驚け
(ネットプリント「羅曼-L`Amant- Vol3」連作「十七而従心所欲」より一首)
結句の「吾に驚け」にしっかり焦点が定まっている、いい歌だなと思います。この直球を相手にぶつける情熱的な誘いはもちろん、主体が選んだ唯一無二の相手に、存在の全てをぶつけるべく為されたのものでしょう。「真っ白な」部分をみせようとするのは、余程心を許したとき