できるけどつらい、をやらなくていいにシフトする
私は正社員として働いている。
HSPの私は20代の頃、仕事を頑張りすぎて「できるけど、つらい」状況に苦しんでいた。
仕事をこなせるけど、大きな負担を感じていたのだ。
当時、上司や同僚に個人的に、お願い事をされる機会が多かったと思う。
小さな職場のため、少人数。
多忙さゆえに、みんなピリピリしている。
「君なら、できると思って」
「あなたに、まかせたいんだけど」
「これ、どうしたらいいかな?」
HSPの特性なのか、課題を見つけるとゴールから逆算して段取りし、必要なタスクをこなしてしまう。
相手が困らないよう、「ほう・れん・そう」もかかさない。
そして少人数の職場のため、個人的に頼まれると、断りずらい。
そういう私の特性は、組織にとって好都合だったと思う。
私は頑張ってこなした。
最初は、見込まれている事が嬉しく、優越感もあった。
私ならできる、と思い承諾した。
今思うと、それはなんの自信なのか、顔から火がでそうだ。
昼休みも、お弁当を食べながらキーボードをたたいた。
すると、私の評価が上がり、呼んでもないのに新たな期待がやってくる。
「お願いできるかな?」
おやおや、ペースが早くないかい?
引き受けて、相手は喜ぶけど、私のダメージがすごい。
なんだか引き合っていない気がする。
本当は休日に、友達を誘いたいのに疲れて寝てしまう。
美容室にも行きたいのに、ホットペッパービューティーを開く気力がない。
しかし、処世術を知らない若い私は、「できるけど、つらい」問題に対し、まっこうから体当たりしていた。
「つらいのが、仕事だ。それをさらっとこなすのが、クールなのだ」
と思っていた。
今思うと、なんだそれ。そんなにつらいなら、さっさと断れ。
そして、お昼休みにキーボードをたたきながらおにぎりを食べていると、自然と涙がでてきた。
おにぎりが、しょっぱい。
私のキャパは完全にオーバーしていた。
私がこんなにつらいなんて誰も知らないだろう。
だって頼まれて断らないのは私なのだから。
そのとき、「できるけど、つらい」状況を受け入れているのは自分自身なんだと気づいた。
この負のループから抜け出さないと、やばい。
誰からも期待なんて、されたくない。
時はちょうど、人事異動の希望調査期間だった。
私は思い切って環境を変えることにした。
出向を選んだ。
私の会社には出向先がいくつかあり、勤務場所が変わる。
大体の人は、勤務地が遠くなるため人気が無い。
そのため私の希望は、すんなり通った。
勤務場所が変わると同僚が変わり、業務が変わった。
私の事を知る人はいない。
業務量も思ったより少ない。
海のすぐそばというのも気に入った。
過度な期待もされない。
それが今の私にとっては、心地よい。
状況は変わったのだ。
オアシスを手に入れた私は、ある事に気づく。
「できるけど、つらい」を続けていた自分は消耗していた。
そして、同じ組織の中に居続けて、盲目的に状況を受け入れいた。
抜け出してみて、はじめて「あんな場所にいなくてよかったんだ」と思えた。
つらいなら、その感覚を大事にした方がいい。
自分がつぶれる前に、相手の期待からは離れることだ。
「断る」「環境を変える」というアクションを自分で起こす必要がある。
できるけど、つらい日々を送るほど人生は長くない。
やらなくていい方法を探して試してみるしかない。
私はもう、お昼休みにキーボードをたたかない。
職場の近くの海を眺めながら、しょっぱくないおにぎりを食べている。
ご機嫌ではたらけるなら、それでいいじゃないか。
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