見出し画像

【レビュー】美しく蘇る巨神界 ゼノブレイド Definitive Edition

※個人の見解です。ネタバレ一部有。

twitterの文字数でゲームの感想やレビューを満足に表現するのは難しいと感じたので今回noteを使ってみました。


本作はもともと2010年にwiiで発売された名作、ゼノブレイドのリマスター作品です。

本作はリマスターと言いながらグラフィックの向上のみならず、追加エピソード「つながる未来」など多くの追加要素が盛り込まれており、事実上の完全版となります。

オリジナル版は3DSに移植されたこともありましたが、そちらはあくまで携帯機への移植作品という立ち位置でしたので、今からゼノブレイドをプレイするなら迷わず本作を選ぶのが良いでしょう。

筆者は本作でゼノブレイドに初めて触れたわけですが、「みんなのおすすめ」で最後までプラチナを維持した唯一の作品だったなどの伝説と共に高い評価は聞いており、ずっと興味は持ちながらもwii版はプレミア価格だったし3DS版もnew3DSを持ってなかったことから諦めていたのでswitchで本作が発売されたのはまさに渡りに船でした。

壮大な世界観と王道RPGを軸としながら驚きをもたらすシナリオ

まずは評価点から。本作を語るうえでまず語るべきはその世界設定。巨大な二体の神が争い骸となった、その体の上で生命が育ち文明を築いているという異例の世界観は旅をする中で実感をもって感じられます。

「落ちた腕」などは特にわかりやすく、マップ中央部から5本の細道が伸びており、それが指なのだとわかる地形になっていてワクワクさせられました。

広大なフィールドはただ広いだけにとどまらず、明らかに強すぎる敵が配置されていたり、死角になるような場所に隠し通路が仕込まれてたり、退屈しないような工夫がなされています。

シナリオについては基本はRPGの王道を踏襲しています。

一方でどんでん返しが多用されているので、状況、目的、敵などがころころ変わっていくのも特徴的。こういう展開の多用はしばしば整合性の崩壊やプレイヤーの慣れを招くものですが、それを起こさない為の設定や伏線がしっかりと丁寧に張られているので、プレイヤー側も急な展開をむしろ納得した形で受け入れることが出来ました。

没入感という意味でも大きな役割を果たしており、シナリオ・脚本陣が本作を名作と呼ばれるものにしたといっても過言ではないでしょう。

「つながる未来」をはじめとした追加要素も充実

メリアを中心とした掘り下げが行われた新要素「つながる未来」についてですが、多少気になる点はあるものの概ね追加コンテンツとして良い出来でした。

子供たちを描くことで間接的にリキの父親としての姿を掘り下げたり、メリアと因縁深いタルコについてはかなりの尺をとって掘り下げを行っていたので、キャラクターとしての魅力がぐっと増したように感じました。

ラスボスが結局なんだったのか明かされない点は気になりましたが・・・これは次回作への布石である可能性が高いのでは。

あの本編シナリオを書ける人が書いてるのだから、ここで投げっぱなしのやられ役を出してくるのはちょっと考えにくいので、まあそういうことなんだろうと推測してます。

また言うまでもないことですが、本作、というかオリジナル版からBGMはずば抜けて優れています。だからこそ、BGMのオリジナル・アレンジ切り替え設定が追加されたのは価値がある要素でした。

上級者設定などは無かったらレベル上げ大変だったと思うので、オリジナル版に触れていない自分でも改良、追加要素が大きな効果を挙げていることがわかります。というかレベル差補正が強力な本作で上級者設定が無かったオリジナル版に問題があるかも。

膨大な量の「お使いクエスト」

不満点もあげていきます。とにかく大量に用意されており、プレイ時間の大半を占めることになるクエストですが、あのアイテム〇個集めてきて、とかあの敵を〇体倒してとかの所謂「お使いクエスト」ばかりで作業感を感じました。

ナビルート表示があるおかげで迷わないのですが、逆に作業感を増す要因になってしまったかもしれません。

ただでさえフィールドが広いので移動時間だけでもイライラを感じるし、ドロップ率の低いアイテムを何度もポイントを往復して探す羽目になったりするのはちょっと現代的なゲームデザインではないのではないかと。

やらなくても進める、と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、あるならやりたくなるのも人間の性。

オリジナル版からの仕様を変えるのが難しかったことは想像に難くないですが、なんとかして欲しかったです。

総評

一言でいえば本作は「買い」。過去の名作のリマスター作品として必要なフォローはされていると思うし、珠玉のシナリオをはじめとして全体的に見て完成度の高い、おすすめしやすい作品。

前述のクエスト周りの仕組みなど古臭さは残っていますが、フルリメイクではなくあくまでリマスターとのことなので、価格も抑えめだし完璧を求めるべきではないということかもしれません。

評価・・・9/10

※こういうのは明確な基準があった方がいいかと思いましたのでIGNのガイドラインに沿って点数つけてみました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?