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先週のショートショート【24年03月17日~03月22日】

■2023年03月17日(日)
Akiさんからのお題は「灯台」。すでに役割を終えた灯台たちが南アルプスの山中に集まり、村を作る話を書いたが、読み返すと平坦でつまらない。粘って、もう一本書く。マンションの隣に老紳士が引っ越してくる話。人だと思ったら昔、灯台だったという話で、自分らしいと思うのだが、妻には「没」と言われる。一本目は納得するが、二本目はそうでもないのではないかと思い、「隣の老紳士」というタイトルでアップロードする。

■2024年03月18日(月)
Chiekoさんからのお題は「オカメザクラ」。これはやはりただの桜ではなく、オカメザクラでなくてはならないだろうと思い、朝から頭をひねる。ひねってもたいした考えは出て来ない。オカメザクラの樹が結びつける、ボーイミーツガールの話にした。こういうのは年に一度くらいしか書かない。タイトルは「淡い紅色の花」。

■2023年03月19日(火)
Chiekoさんからのお題は「群衆」。なかなかイメージがわかない。安易な神様ものに手を出してしまい、失敗する。群衆が集まるには集まるだけの理由があるはずだと思うのだが、その理由をうまくひねり出すことができなかった。仕方なく「きれい好き」というタイトルでアップロードする。なにか別のアプローチがあるはずだよな、絶対。

■2023年03月20日(水)
Chiekoさんからのお題は「失われたもの」。ちょっとお題からズレるが、うだつが上がらず、過去を捨てる決意をした男の話を書く。過去と決別するために日記を焼いたら……というお話。妻から「面白いけど、早い段階でネタバレしている」と言われる。多少いじってみるが、構造の変更はできなかった。「近所迷惑」というタイトルでアップロード。もうひとつ思いついたので、臓器販売の話も書いてみる。読み返してみると、どちらも同じ色調だ。こちらは「正社員」というタイトルでアップロード。軽い気持ちで書いた「正社員」のほうが出来がよかった……。

■2023年02月21日(木)
Chiekoさんからのお題は「岬」。〇〇がじつは××だったというパターンはあまりやりたくないのだが、ほかに思いつかず、巨大な猫を出す。描写がうまくいかなかったので、異様さが引き立たない。「猫岬」というタイトルでアップロードする。もうひとつ自殺と誕生のふたつの岬が小さな湾の向かいにある話を書くが、妻に却下される。当然だと思ったので、こちらはアップせず。

■2023年03月22日(金)
Chiekoさんからのお題は「自分」。ちょっと哲学的。なにを書くか迷っている時間もない。渋谷に来るときに経験したことをもとに話をエスカレートさせてみる。主題は赤ちゃんの泣き声だ。いつも書いているショートショートとはちょっと違う路線。「感情バス」というタイトルをつけた。妻からは「何がどうってことはないのだけど、こういうのはいいかも」という返事が来る。すこし短くしてアップロードした。

■まとめ
今週は全部が違う感じなので、バラエティ感がある。最初の「隣の老紳士」は妻には没と言われるが、アップしてみた。最後の下らない感じが好きである。「淡い紅色の花」。お題は「サクラ」ではなく「オカメザクラ」だったので、これしかないだろうと思って書いた。別に面白くはないのだが「感情バス」も印象深い。よくあるエスカレートものなのだけど、出発点が変。「近所迷惑」とか「正社員」はわりと正統派のショートショートだと思う。「猫岬」は人にあまり興味のない私の欠点を露呈しているかもしれない。こういうふうに逃げちゃうこともある。「きれい好き」は群衆というお題で書いたものだが、お題を消化しきれなかった。人が無個性化する群衆という現象は好きなのだが、それだけに過去にも似たような作品を書いており、新機軸を思いつかなかったのである。ということで、全七本、よろしくお願いします。

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