「名刺がわりの小説10選」に差し込んだ懐かしの一冊「エスパー島物語」

 他人の本棚を覗くのが好きだ。だから「名刺がわりの小説10選」というタグを見つけたときには喜んだ。
 ひとしきり読んで自分でも書いてみたのがこれだ。
エスパー島物語」ステープルドン作/矢野徹訳
エロチック街道」筒井康隆
唐獅子株式会社」小林信彦
ぬばたまの…」眉村卓
生家へ」色川武大
告白」町田康
バースト・ゾーン 爆裂地区」吉村萬壱
鉄鼠の檻」京極夏彦
ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件」橋本治
機龍警察」月村了衛
 オールタイムベスト10的な意識で選んだが、一冊だけ、小学生のときに読んで強烈な印象を残した本を入れた。「エスパー島物語」である。超能力をもつために一般社会から弾き出されてしまった少年少女たちがエスパー島に集まり、結局は破滅させられてしまう。
 当時、歯医者に行くとご褒美に本を買ってもらうことができた。選ぶのはかならず岩崎書店の「SF世界の名作全集」だった。名作SFを矢野徹などの手練れが子供向けに書き直したこのシリーズはいま考えてもレベルが高かったとおもう。

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