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消えゆく日記。

 手書きが苦手なので、手帳に日記を書いた覚えはあまりない。
 それにもの書きの性なのか、書いたものは読んでもらわないと張り合いがない。かといって日記を無防備に公開するのもはばかられる。
 その結果、ニフティサーブというパソコン通信の中の「パティオ」という月額500円の有料サービスを利用して日記を書くことになった。知り合いを招待してクローズドな環境で読んでもらうのである。ずいぶん続いた気がするが、インターネット時代の到来でサービスが閉じてしまい、書いたものはすべて消失してしまった。
 続いてuumeという招待制なしのSNSを発見し、こちらに場所を移すが、またもサービス休止。データは消失。
 その次はmixiに移行し、これはまだ存続しているが、10年後はどうだろう。
 いまはfacebookにクローズドのグループを作り書いている。サービスがなくなるのにはもう懲りたので、ローカルやクラウドにも残しているが、仕事がほとんどなくなり、子供も独立して書くことがなくなってしまった。皮肉なものである。

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