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白石加代子の百物語「五郎八空港」を観た。

 ポーンと音がなり、妻からLINEメッセージが届いた。
 白石加代子の百物語「五郎八空港」へのリンクが貼ってある。
 「五郎八空港」といえば筒井康隆の傑作小説だ。なにごとかと思い、リンク先へ跳んだら朗読が始まった。
 あとから調べて知ったが、舞台女優の白石加代子は恐怖をテーマに99の物語を12年かかって、舞台で朗読していたのだった。
 「五郎八空港」はその中でも人気の演目だという。鴨下信一構成・演出の舞台は、朗読とは思えないほど躍動する。
 主人公は東京から3日かかって、軽薄なカメラマンとともに乳島へやってくる。小さな船に乗り込む冒頭から、白石の体が揺れに揺れ、新鮮な感じだ。
 やってきたのは無人島ルポの連載のためだが、編集長から明日中に帰ってこいという厳命を受ける。島には台風が接近しており、迎えの船は来ない。そんな時、島に来ていた農民から、航空便があることを聞く。台風の中、よろよろとやってくる小型機。出てきたのは操縦士、五郎八の嫁のお米さんだった……。
 一気呵成の40分。オススメです。

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