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「パラサイト 半地下の家族」を観てきた。

 新宿の東宝シネマズの第9スクリーンは、音響がよくて素晴らしい。小雨がぱらぱら降ってくるシーンの雨音が全身を包むように聞こえた。
 「パラサイト 半地下の家族」はカンヌのパルム・ドールやアカデミー賞を受賞した韓国映画である。ポン・ジュノ監督のかなりブラックなコメディ。物語の展開が早いし、多面的なのでびっくりする。中盤にもばんばん新しい要素が放り込まれてくるので、見飽きることがない。
 貧しい人の住む半地下と金持ちの住む坂の上の豪邸のセットがすごい。高さを大事にしている。脚本も緩急があって素晴らしいが、映像も凝っているのだ。
 伏線を張り回収し、伏線を張り回収しということを丁寧にしているが、大事な伏線のひとつに匂いがある。この映画は匂いを映像とセリフで感じさせる。
 寄生虫というタイトルは悪い印象の言葉だが、あえてこのタイトルを使っているからには、韓国の現状への告発があると考えてよく、日本にも通じるような問題ではないかと感じた。
 いまさらだけど、映画館で観てよかったと思える映画だった。

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