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女渡世人が六連弾のコルトで大活躍する痛快時代小説「コルトM1847羽衣」

 徳川の世が崩壊しそうな予兆のある嘉永5年(1852年)、佐渡金山を舞台に展開する「コルトM1847羽衣」を読んだ。月村了衛のエンターテインメント小説である。
 「コルトM1851残月」(大藪春彦賞)に続く暗黒時代小説シリーズの第二弾だが、直接的な続編ではない。幕末にリボルバー式のコルト銃をもった主人公が活躍するという点だけが共通している。
 主人公は女渡世人の羽衣・お炎。失踪した青峰信三郎という侍と両思いで、必死の思いで探している。ひょんなきっかけで四海屋という大商人がバックにつき、お炎にコルトM1847を与え、信三郎が佐渡に渡ったという情報を流す。
 冒頭からいきなり銃撃アクションが始まる。人があっけなく死ぬ。えぐいくらい次々と人が死んでいく物語である。もともと佐渡金山は無宿人の強制収容所的な場所だ。そこにはびこるオドロ教というあやしげな新興宗教。
 四海屋は稼業人20名をお炎の応援部隊として送り出し、佐渡奉行の一味も加わり、三つ巴の死闘が始まる。アクション性の高い時代劇だった。

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