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「虚航船団」の第2章を読み終えた。

「第二章の舞台はクォールという惑星であり、ここに棲んでいるのは流刑になったイタチばかりである。その一千年の歴史が地球の歴史のパロディの形で語られる。人間がひとりも登場しないことがはっきりし、ここで人間以外の者に感情移入できないレベルの読者が排除される。また、一章二章を通じ、多くのギャグの「とどめ」は省かれていて、読者の想像に委ねているため、過去のわがドタバタSFを期待した読者にとってこれは「サービス不足」であり、「面白くない」ことになる。」
 と作者が述べる通り、2章は難関であった。クォールの歴史は地球の歴史を圧縮し、残虐な側面から記したものである。現代史、とくに世界大戦などは第一次と第二次を重ね合わせ、日本とドイツを同一の国に設定している。大人しい天皇アラマヒトの下に独裁者ヒドラがいるという構図だ。ヒドラの最期は十分ドタバタであり、「とどめ」もあった。戦後の総理、イイヅナノカクエの演説もおかしい。世界史の部分も世界史をよく知る者にとっては爆笑ものではないかと悔しい思いをした。

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