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萩生田光一経産大臣の訪米空振り!?半導体分野で当てが外れる?

2022/05/05

■ アメリカの日本に対する信用度は韓国よりも下になった

萩生田経産大臣の訪米。
ジーナ・レモンド商務長官との会談、長官とはお会いできたのだが当てが外れた。
 
5月3日の日経新聞「日米、半導体技術協力。2ナノなど最先端開発 近く合意」というニュース。

日米両政府は最先端の半導体サプライチェーン構築で協力する。回線幅が2ナノより進んだ先端分野での協力や、中国を念頭に置いた技術流出の防止枠組みづくりなどで近く合意する。米中対立を背景に半導体は経済安全保障上の重要性が高まっている。台湾勢などに調達を依存する危機感から日米提携を強化する。

日本の狙いは、アメリカが持っている2ナノのプロセス幅で製造できる半導体の技術への協力と、進んでいるIBMの技術を教えて欲しい、という魂胆があった。

このニュースの中で「台湾依存に対する危機感」というのが急にキーワードとして浮上しているが、日本政府は台湾にすべての技術をやり、すべての半導体助成金、予算全部を突っ込んできた。それなのに急に台湾依存に対する危機感を抱くのは疑問だ。

今回の萩生田大臣の訪米の目的は、決して自分たちは台湾に依存しているわけではないというアピールだろう。
アメリカは半導体不足は間違いなく台湾TSMCが引き起こしていると認識している。台湾に金と技術をせっせと流し続けている日本に、不信感を持ち始めた。

そこに韓国がスッとすり寄っていつでも協力する準備ができている。一年前から半導体分野で協力している。よかったら韓国に来てくださいということで、バイデン大統領の東アジア訪問は、日本より韓国が先で、日本は後回しになってしまった。 
半導体分野に対する失策続きで、日本はアメリカとの関係が韓国よりも下に下がったのだ。 

韓国を叩いて台湾を強くするのが日本政府、経産省の方針である。中国のひとり勝ちを目指し、台湾経由で中国に半導体技術を流している。
台湾は西側諸国の仲間であることを装い、それを利用して中国を助けている。中国と戦っているふりをしながら、軍事技術を中国へ流す。
日本の政府、経産省もこの構造を維持するために頑張っている。


■ 脱台湾を目指しているという言い訳は通用しない

今回の萩生田大臣の訪米が全部失敗だったとは思わない。グリーンエネルギー利権とロシア制裁では上手く行った。
失敗だったのは、ジーナ・レモンド商務長官との話し合い。それが表情に現れている。グランフォルムエネルギー長官との会談の写真と、ジーナ・レモンド商務長官との会談の写真を見比べると、グランフォルム長官との時はリラックスした笑顔で、レモンド長官との時はやや表情が固い。

レモンド商務長官との話し合いで、彼の希望は全く達成できなかった。
萩生田大臣はこれまでに台湾、TSMCは良いとドンドン推進してきた。
ところが、アメリカ政府の特にレモンド商務長官は、TSMCが国家安全保障上の危機をもたらしていると発言している。
その人たちから冷たい目で見られていたのだった。

もしかしたら、それに気がついたのかも知れない。そこで日本は脱台湾を目指している。脱台湾を目指すために最初に台湾に依存するという言い訳をしに来た。そしてIBMの2ナノの技術も欲しいという狙いを持ってやって来たのではないだろうか。

今回の萩生田大臣の訪米は、アメリカの商務省側の発表を見れば、大臣の狙いがけんもほろろに撃沈したという雰囲気である。そのように見て取れる発表がアメリカから出てきている。 

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