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環境法改悪。中国用詐欺スキームを許すな!!

2023/07/28

https://www.youtube.com/watch?v=3KNK1avV4wE&t=1144s

■  TSMCのために住民を騙す熊本県

TSMCは熊本誘致に対し、工事計画の概要をも開示せず、住民説明も行わないまま24時間工事をやり、大量の井戸の水を吸い上げている。近隣の井戸が枯れ始めている。

熊本県はTSMCの為に、環境条例を改悪しようと企んでいる。改善をするふりをして改悪しようとしているのである。いつも通りの役人のスキーム(計画)を編み出した。

そのパブリックコメントの募集を始めたが、今回の条例改正について、ぜひ反対のパブリックコメントを出して頂きたい。

今回の熊本県の説明は、県知事は詐欺師ではないかと思える程のひどい内容である。

人工涵養を始めた結果地下水が増えたので、大きい工場を作っても人工涵養を増やして、環境条例を緩和しようと言っている。

環境アセスメントは25平米以上に必要だったが、環境条例を緩和しTSMCに第2工場、第3工場、第4工場を作って欲しいと言っている様なものだ。

前提条件からしておかしい。菊陽町の水は増えているという前提をもとに、涵養を作れば、環境アセスメントの要件を緩和しようと言うのだ。


県の環境経済常任委員会で提出された資料で、菊陽町の観測井戸の水位が底をついて回復していると示す図なのだが、黄色いラインが下がってV字回復したように見せかけた線を引いている。

よく見ると折れ線グラフの山と谷を結んでいるというテレ朝顔負けの視覚詐欺だ。黄色い線が上がっているよう見せかけている。

黄色い矢印と下がっている赤い点が結ばれていなく解離している。普通に考えれば多少の降水量の差はある。水量の多い年と減る年はある。折れ線グラフを結ぶということは通常なら有り得ない。本来であれば回帰直線を結ぶなど、統計的に意味のあるやり方で線を結ばなければならない。これは視覚トリック詐欺だ。

山→谷→山を結んで、実は人工涵養を始めたら水が増えて、地下水が増えているから大丈夫です。安心して下さいと言いたいのだ。

県の常任委員会が、国民や県民を騙そうとしている図表なのだが、熊本市では市民に節水を呼びかけている。
熊本市民には水を使いすぎなので、節水をして熊本の地下水を守りましょうと訴えていて、TSMCにはいくらでも水を使っていいと言っている。本当に酷い話である。

長期的に見ると、熊本自慢の地下水は減少傾向にあると言われていた。1976年の頃には緑が沢山あったが、2014年の頃には非涵養地域が増えて緑が減っている。涵養域自体も減った。

普通の熊本県民の人たちは、現在では太陽光パネルも増え、2014年より涵養域はもっと減っていると思っている。

なぜか観測井戸だけは水位が上がっている。だから公式見解は水が増えているという。菊陽町の井戸水は実際に枯れている。

近隣の人が、井戸水が枯れたので業者を呼んで調べてもらった結果、井戸水の水位が20m近くも下がっていることが判明した。

涵養を増やしても、地面に水が染み込んで地下水になるまでに20年から40年かかると言われている。涵養を増やしても、今日、明日、すぐに地下水が増えるわけではない。

今回の条例改正で熊本県は、地下水保全の為に色々な取り組みをしていると言っている。

「熊本県は水道水源の8割を地下水に依存し、そして地下水が重要な資源となっています。

そのため、熊本県地下水保全条例に基づく規制地域における事業について、地下水の涵養域の保全の観点から、ほかの地域より厳しい要件を定めています」と言っている。


■  TSMCのために規制を緩和する

ここには菊陽町が含まれているわけだが、緩和しようという動きになっている。

土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地の造成、流通業務団地の造成、住宅団地の造成と、TCMCがやってほしい部分を全部緩和しようとしているのだ。熊本の地元の人たちの産業に関しては完全に無視をしている。

地下水涵養の見直しをするとして、工場が汲みあげる水量に見合う涵養をすれば環境アセスメントの要件を緩和するという、違法を合法化しようとするスキームを作っている。

しかし、このスキームでは涵養は増えない。既存の農家から野菜を買い涵養が増えた。農地を買って涵養が増えたことにするのが、一般的な涵養をしたスキームなのだが、今回は「地下水財団」に寄付さえすればオッケーだという。

しかも、地下水の涵養促進に関する指針を改正する、その新しい指針の条文が出ていないのだ。パブリックコメントを募集しているが、そこには掲載されておらず、委員会の資料の中に掲載されている。

環境保全のために厳しくすると言いながら、実際は緩和している。その条文を隠蔽し、環境影響評価法を逃れるスキームを作っている。TSMCが熊本市長と副知事の財団に寄付さえすれば、環境影響評価法を逃れることができるということだ。これは利権だと思われても仕方がない。

地下水涵養の促進に関する指針を読めば、もともとあった数値設定を消している。地下水採取予定量の最低一割を涵養せよという数値目標が無くなっている。
新しい指針では、地下水財団の地下水涵養事業を実施している公益法人等に寄付を行ない協同の取り組みに参画すると改正されている。

事業費用の協力金も寄付金に変更されているが、寄付金になれば何に使うかの縛りが無い。

指針の新旧表を示さずに、県民市民をだまし討ちにするこの悪質さ。前回の熊本の基本条例の改正の時も非常に悪質だったが、今回も委員会に提出された資料を隠して、皆さんに真実を見せないために、あえて良い所だけ抜粋して見せて騙し討ちをしようとしている。

環境保全のために厳しくしますと言いながら、実は緩和しているだけで情報を隠蔽して環境影響評価法逃れを作っているだけだ。

TSMCが熊本市長と副知事の財団に寄付をすれば、環境影響評価法から逃れられる環境法改正案は、利権でしかないと思われても仕方ない。

皆さん、どうか今度のパブリックコメント(8月28日まで)では、県は環境影響評価法に基づくアセスメントを、ちゃんと現行通りにやれ、国民を騙すのもいい加減にしろ、熊本県の水を保全しろ、環境は涵養だけではダメだと強く抗議して頂きたい。

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