【15年にのぼる実写化BL史を紐解く】今急増中の「実写化BL」って何から始まったの?
BLの実写化が頻繁に話題に上がる今日この頃。実写化について、BLファンの皆さんの見解は人それぞれだと思います。
筆者は積極的に観る方で(むしろかなり好き)、自分の好きな作品が実写化されると必ずチェックします。
特に2021年に放送された『美しい彼』にはかなり沼ってしまいまして……ドラマの感想記事をオタク特有の早口がごとく書きなぐったのは記憶に新しいです。
供給が絶えない令和の実写化BL、じゃあこれより前の実写化BLってどうだったの? そう思った筆者が考えたのはこちら!
「歴代実写化BL並べてみた」!
今までの作品を振り返りつつ、最近の傾向についても語ります!
オススメの実写化BLばかりなので、作品探しの参考にもしてみてください♪
実写BLの歴史①2007年~2011年 萌芽期
萌芽期を代表する作品として外せないのは、なんといっても『愛の言霊』と『タクミくんシリーズ』でしょう。『タクミくんシリーズ』は第5弾まで映画化されています。
映画『愛の言霊』は紺野けい子先生の『愛の言霊』を原作とし、徳山秀典さんと齋藤ヤスカさんが主演を務めた映画です。
原作は2000年発売。がっつりBL作品が原作となっているのはこれが初めてだったのではないでしょうか。
続いて、『タクミくんシリーズ』。
ごとうしのぶ先生の小説シリーズ『タクミくんシリーズ』 が原作の映画で先述の通り第5弾まで映画化されています。
現在ではシリーズが5弾も続くなんてなかなか珍しいですよね……。かなりの人気ぶりが伺えます!
小説シリーズがこのように何度も映画化されているというのも、萌芽期の特徴。また、両作品とも発売から7年以上経った原作を扱っているという点でも一致しています。
実写BLの歴史①2014~2018年 過渡期
上記の2作品が制作された後2年の時を経て、2014年にヨネダコウ先生の不朽の名作『どうしても触れたくない』が実写化しています。
ちるちるの通年レビューランキングでも1位を獲得している作品で原作ファンも多い中、服装などのビジュアルにこだわりを感じたというレビューを多く見かけました!
主演を務めるのは2.5次元作品でも活躍されている米原幸佑さんと特撮などに出演されている谷口賢志さん。予告からも2人の切ない雰囲気が使わってきますね。
その後2018年までに、主に映画でBL作品が毎年2、3作品程度公開されています。
Love Placeが制作した漫画実写化シリーズ『どっちもどっちフェロモン系モテ男 VS インテリドS王子 Love Place 』『飴とキス Love Place』はどちらもDVDのみの発売で、後にも先にもない形態での公開となりました。
さらに、『ひだまりが聴こえる』『ダブルミンツ』『ポルノグラファー』など、現在も多くのファンが存在する作品も実写化されています。
『ポルノグラファー』はフジテレビ制作のドラマで、映画化もされていることからその人気ぶりが伺えます。
濡れ場やキスシーンも積極的に取り入れており、BLファンにとっては満足感の高い作品だったのではないでしょうか。
2020年代の作品と比べると、ディープなBL感がより強い作品が選ばれていると感じます。また、2.5次元俳優がメインキャラクターに抜擢されているケースが多いのも特徴的ですね!
実写BLの歴史③2019年~2022年 興隆期
そのような形で、作品数が長らくほぼ横ばいだった実写化BL業界に革命を巻き起こす作品が2018年に放送されます。そう、『おっさんずラブ』です。
上記のグラフからも分かる通り、『おっさんずラブ』放送後から実写BL作品数が急増しています!
本作はBLではありませんが、男性同士の恋愛を扱ったドラマ。
「オリコン年間映像ランキング 2018」ではテレビドラマDVD部門、BD部門で1位を獲得するなど社会現象にもなりましたよね。
田中圭さんや林遣都さん、吉田鋼太郎さんなど実力派キャストが集結し、一般大衆に広く知れ渡るような作品でした。
ここから、今まで特定の層に絞ったアプローチをしてきた実写BL作品が、大衆向けに展開されていくことになります。
2020年以降は実写化BLラッシュ。衝撃的なラブシーンが話題となった『性の劇薬』、大倉忠義さんと成田凌さんが主演を務めた『窮鼠はチーズの夢を見る』などの映画をはじめ、先日劇場版が公開されたドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』も2020年放送。
昨年2021年は、日本のみならず海外でも絶大な人気を博した『美しい彼』などの連続ドラマが豊作でした。また、非BL作品ではありますが、なにわ男子・道枝駿佑さんとSnow Man・目黒蓮さんが主演を務め、幅広い層の支持を集めた『消えた初恋』も男性同士の恋愛をメインで描く作品として話題になりましたよね。
なお、2020年はタイBLや中華ブロマンスなどの海外作品も爆発的な人気を集めた年であり、その勢いは現在も続いています。
ここまで見てみると、BLが好きではない人でも楽しめるようなタイトルはドラマに、濃厚な作品は映画にと、住み分けされている印象があります。2018年以前に比べてドラマが大幅に増えたことも分かります。また、有名俳優が多く起用されているのも特徴です。
考察~2018年以前と以後の違い~
『おっさんずラブ』が巻き起こした2018年革命。実写BLはそれ以前と以後とでどのように変化していったのでしょうか。
2018年以前を見てみると、限られた映画館で上映される映画やDVDが主流、特に過渡期は2.5次元俳優の起用など、オタクコンテンツとして女性アニメファン・漫画ファンをメイン層に売り出されている印象が非常に強いです。
一方、2018年以降は地上波放送のドラマや配信を中心に、より多くの視聴者が付くことを想定した内容になっていると感じます。有名俳優・アイドルの起用が進んだのも2018年以降だと言えます。
思い切ってBL原作の実写作品が流行していると言ってみると、その理由として今まで日本で流行していた少女漫画的な胸キュンストーリーを、BLという新たな窓口で楽しめるという利点が買われているからだと考えています。「キュン」や「萌え」に性別は関係ないということが広まれば、実写BL作品ももっともっと発展していくのではないでしょうか!
一方で、BL原作の作品が全国やゴールデン帯で放送されにくいという点は今も昔も変わっていないと言えるでしょう。2021年のドラマで見てみると、どちらもネット配信されているとはいえ、『美しい彼』はKTV、『ギヴン』はフジテレビの関東ローカルです。
今後はどのような進化を遂げていくのか……実写BL作品の展開から目が離せませんね!
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