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声がかかる人、声をかける人、どちらでもない人

という3つがあったとき、どのタイプに入るでしょうか。

ぼくは「どちらでもない人」から「(どちらかと言えば)声をかける人」へじわりじわり進みはじめているところです。

「声がかかる人」には、特別な技術や経験があったり、人としての魅力がある。きっと、この道を進むのは厳しそうだ...と思った器用貧乏タイプの自分としては、「声をかける人」になる道の方がしっくりくるのではと思ったのでした。

声をかける人になるという道

器用貧乏かつ内向的タイプな自分としては、「声をかける人」になるなんてありえない。と、初めからその選択肢を脳内削除していました。

ただ、迷走に迷走を重ねていた数年前。Soup Stock Tokyoやネクタイ専門店 giraffeなどで有名なスマイルズ社長の遠山 正道さんの記事を読んで、『そうか、声をかける人になればいいのか』と妙に腑に落ちたのでした。

今後は、テクノロジーや価値観の更新によって、個人というそれ以上分けることができない最小ユニットが勢力を強め、江戸時代のような個商いが流布する。ある目的に合わせて最適な個人が組織され、達成されれば解散し、個人はそれぞれ次の目標に散っていく。つまり、全てがプロジェクト化するのです。そんな世界では仕掛ける者、声を掛けられる者、仕掛けもせず声も掛からない者の3つに、ビジネスパーソンのタイプが大分されるのではないでしょうか
https://lexus.jp/magazine/20190225/312/exp_series_creative_05.html
(太字は著者)

声をかける人(仕掛ける人)、声をかけられる人、どちらでもない人の3択しか無いよと突きつけられ、昔から『観客でいるよりもプレイヤーでいたい』タイプの自分としては「声をかける人(仕掛ける者)という道しかないじゃないか」と、腹を括った(とは大げさですが)のです。

(仕掛ける者は、例えばイベント運営にしても、出演依頼をしたり、参加者や当日運営スタッフを集めるために声をかける必要があります。なのでここでは「声をかける人」と言っています。

ちなみに、遠山さんは数年前に企画運営したカンファレンスのゲストとしてお越しくださいました。優しくユーモア溢れるお話が大好きな方です。『仕掛ける者...』の話を高校生向けにされた講演録がありました。よければ読んでみてください)

10%の時間ではじめる

とはいえ、「いやいや、声をかけるなんてハードル高いじゃん」「声をかけれるようなテーマもないし...」という人もいるのではないでしょうか。

ええ、全く同意です。「自分からお誘いの声をかける」なんて、想像するだけで汗が止まりません。

不安や心配で押し潰れそうなとき、身動きが取れなくなるとき。それでも前に進むためのコツは、とにかく問題を「小さくする」こと。

声をかけるのも、大きく考えたり仕事の中でやろうとするから勇気が必要で足がすくんでしまう。ならば、自分のプライベートな時間から、まずは身の回りの人から、自分のできる範囲から始めたらいいんです。

ぼく自身の場合は、「同僚の日報にコメントをすること」、「”いいな”と思う投稿をシェア・リツイートすること」、「導入したら業務改善されそうなサービスを社内にシェアすること」...という身近な範囲から「自分から声をかける」という経験に慣れていきました。

それから、自分の興味関心の琴線に触れる活動をしてみる。「森のようちえんに興味があったものの自分でやるほど勇気がなかったので、取材させてもらったり」、「筋トレ好きが高じて、タレントの角田さんと筋肉共演」をしたりしました。

先ほど引用した記事内でも、遠山さんは次のように語っています。

会社を立ち上げるとか新規ビジネスを興すといったことばかりでなく、日常の中の些細なことからでもいいので、まずは自ら仕掛けることです。例えば、給湯室の麦茶をよりおいしいと思う黒豆茶に変える。そんな小さな発意でもいい。個商いの時代こそ、自分ごとが公の利になり得るはずです。単純に仕事をこなすのではなく、価値を模索する小さなアクションを繰り返すことで、声を掛けられるユニークな存在だと一目置かれる。そうしていつしか声をかける側に回ることもできるのではないでしょうか。
https://lexus.jp/magazine/20190225/312/exp_series_creative_05.html
(太字は著者)

何も大げさに考えるのではなく、自分の時間の5%、10%から。日常にある些細なことからはじめればいい。その経験の繰り返しが、はじめた当初は自分でも想像がつかない場所へ、自分を連れてってくれると思うんです。

小さく考えてみても二の足を踏んでしまうとき。まずは、自分の内側と対話する時間を取るのもいいかもしれません。「自分の関心テーマがないんです」と言っても、ただ日常の忙しさややるべきことに埋もれてしまっているだけのことも。

そんなときは、忙しい日常を離れ、カフェや公園など自然の中へ、紙とペンだけを持って出かける。そして、この1年あった出来ごと、よかったこと、うまくいかなかったこと、これからやりたいことを書き出してみる。

自分の内側の声を聞いていくと、「ああ、こんなこと考えてたな。やりたかったんだな」と気づけたり、「これは変えたほうがみんなが喜ぶな」と、自分から声をかけるヒントが見つかるはずです。

(ちなみに、「どちらでもない人」がいてこそ、仕事やプロジェクトがまわるという側面も忘れてはいけません。それに会社では「どちらでもない人」が、定時後の部活動では「声をかける人」という場合もあります。会社単体で考えずに、自分の所属するコミュニティごとに3つのタイプでわけて考えてもいいかもしれません)

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