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「バカじゃないの?」なぜ人はこんなにもケンカに癒されてしまうのか。

水曜どうでしょうディレクターの藤村忠寿でございます。
月刊マガジン『Wednesday Style』5月号のコラムをお届けします。

水曜どうでしょうでだれかを癒すつもりはまったくない。

よくさ、「水曜どうでしょうを見ると癒されます」とか、「精神的に落ち込んだときでも、どうでしょうだけは見れます」とか言われることがあるんだけど、もちろんこっちはまったく意図してない。「だれかを癒してやろう」と思って番組をつくっているわけではないからね。

水曜どうでしょうをかたちづくっているのは、「つくっている人の性格」なんだと思う。パーソナリティが企画ににじみ出ちゃってるから、番組を見ても妙に安心できてしまう。それは、出演陣もそうだけど、むしろディレクションをするD陣の性格が全体ににじみ出ちゃっている。

たとえば「アメリカを横断する!」って大風呂敷を広げると、鈴井さんなんかは「いいですね、やりましょう」って完全に乗ってきてくれる。鈴井さんは本気でやりきろうとするタイプの人だから、こういう企画に燃えるんだよね。でもオレとか嬉野さんは、もう途中から「いいだろ、やんなくて」って思ってる。ひどい話なんだけど、「横断できなくたっていいじゃん」ってつくり手側があっさり風呂敷しまいはじめて、当初の企画から脱線したところに面白さを見出していく。

「たいしたことのない人間たち」を見るとホッとできる

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