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映画『ブルーリバーミー』

記憶をなくした夫の観察記として有名な映画
『Drinking water my husband』のエミリー・ロイツ監督の最新作

主人公YとMは最高のパートナーであったが、それぞれの人生の目標に向かって歩みだす前に一緒に旅をすることになる。それぞれの過去を振り返りながら旅は進み、やがて大陸の果てへとたどり着く。それぞれが新しい一歩を踏み出してまもなくMは亡くなるのだが、Yは再びMと旅した道を歩きながら、大陸の果てで言えなかった「たった一言」を後悔していた。

松山の若手作家、星原道尾の小説「ムーンリバー」を原作とした作品となっている。

ロイツ監督は彼の作品の大ファンらしく、いつか映画化したとも言っていたのが今回実現した形だ。

「あの日、言えなかった、たった一言が、この海に眠っている。」

冒頭が「海」のシーンで始まるのが星原の作品には多い。
※星原は村上海賊の末裔らしい。関連あり?

ライン川のほとり内陸の小さな町で産まれたロイツにとって
海はあまりなじみがないのろうが、川は必ず海にそそぐ。

随所に彼女の経験も織り込まれ、主人公に投影されている。
記憶をなくしてしまった夫と死んでしまったMを重ねているのだろうか。

映画を見ているとだんだんYの妄想なのか、現実なのか、幻覚なのか。
「死者」がよみがえっていくような感覚に陥る。
「死者との旅」というのは、星原自身の体験らしい。
『星の旅人たち』の影響も感じられるし、ロイツ監督も記憶をなくす前の夫とサンティアゴ巡礼に行っているし、前作でもそれについて触れられている。

「旅」も星原作品には多い。
※「八十日間四国一周」は私も読んでお遍路行きたくなった。

ロイツ監督の無言の多用は星原の淡々とした作品にマッチする。
ファンとしてもぜひほかの作品も映像化してほしい。


映画『Drinking water my husband』
映画『Blueriverme』
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