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コモディティ発想の罠:コピーされない体験価値を見極める

日本最大の観光ガイドエージェンシー『Japan Guide Agency』を運営する、JGA株式会社 代表の藤原です。JGAでは「あらゆる体験をすべての人に」をパーパス(目的・存在意義)に掲げ、全国で訪日外国人向けプライベートガイドツアーを催行しています。

令和6年能登半島地震で被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

実用性のないディズニーグッズがもつ価値

年末のフロリダ・オーランドでどっぷり1週間ディズニーワールドに浸り、たくさんのお土産とともに帰国しました。主にディズニーキャラクターの被りものやコスプレグッズなど、持ち帰ったお土産のほとんどは現実社会(リアルワールド)ではまったく役に立たないものです。

しかし、これらグッズを実用性の面から無価値であると判断するとしたら、すでに「コモディティ発想の罠」にはまってしまっているのかもしれません。

コモディティ発想の罠

「コモディティ発想の罠」とは、実用性を追求することで商品・サービスのコモディティ化を招いてしまう状況を指します。

コモディティ化とは?
商品やサービスが市場に出現し、類似した品質/機能をもつ競合商品が市場に大量供給された結果として商品・サービスは代替可能なコモディティに転化する。商品・サービスが用途に応じて規格化されているものほどその便益はコピーされやすく、市場価値は競合の出現とともに低減していく。

実用的で役にたつ、というわかりやすい便益はこのコモディティ化の波にさらされやすく、コピーされやすい特徴を持ちます。世の中に役立つものをつくりだそうとするコモディティ発想は競争にさらされやすく、大変危険です。

究極の商品・サービスは、「役に立たないのに愛されている」「なぜ愛されているのかよくわからない」ものといえます。よくわからないものはコピーされず、競争の波に巻き込まれることはありません。

体験はコピーされずらい

顧客にとっての経験や体験を経済価値として提供し、ビジネスを行うことを経験経済(Experience Economy)といいます。経験経済において、顧客はモノとしての商材そのものでなく、そのモノをつうじて実現される体験に価値を見出すと考えられます。

ディズニーランドなどテーマパークでグッズをつうじて販売されているのはグッズそのものでなく、そのグッズによって実現されるテーマパーク内での家族や友達との時間や思い出といえます。

この経験経済的発想とは反対に、コモディティ発想は「商品・サービスそれ自体が単に機能/便益を果たすべきもの」と勘違いすることから発生します。

コモディティ発想の罠から逃れるには、製品そのものではなくそれを使っている場面=経験こそが価値であるとイメージすることが大切です。

ガイドツアーの便益は「情報」ではない

同様のことが弊社提供のガイドツアーにもいえます。ガイドツアーの便益を「まちや地域、観光施設の文化・歴史情報がガイドをつうじて提供されること」と誤ってしまうと、Wikipediaやオーディオガイドとの競争にさらされることになります。また一度に複数箇所を効率的にまわれるバスツアーなども競争にさらされやすい商品といえます。

ガイドツアーの便益は地元の人間と一緒に旅する経験

ガイドツアーにおける真の便益は、地元の人間と一緒に旅する経験です。旅先で、その土地で生まれ育った人間とともに時間を過ごすことは何にも代えがたい経験です。ゲストはガイドが提供する情報ではなく、自分もガイドをつうじてローカルの一部になれる体験にたいして価値を感じてくれるのです。

すべての商品・サービスはコモディティ化の波にさらされます。競争を避けようとするなら、わかりやすい便益を商品競争力の中心におく「コモディティ発想の罠」から逃れる必要があります。

商品・サービスをつうじて実現される体験価値は何なのか、容易にコピーされない商品価値が何なのかを見極める必要があります。


参考書籍:


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『Japan Guide Agency』は、約750名の通訳案内士が登録する日本最大の観光ガイドエージェンシーです。​地元ガイドにこだわり、全国47都道府県で月間1,500本を超えるプライベートガイドツアーを催行しています。

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社名:JGA株式会社
静岡県知事登録旅行業 第2-706号
本社:静岡県静岡市清水区江尻東2-67-3
設立:2013年
​資本金:1,000万円
代表取締役:藤原 一成

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