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「からだのことば ワークショップ in松本」

「からだのことば ワークショップ」を松本で開催します。

短い詩や小説など、何かきっかけになるものを真ん中におき、
そこから各自想像したり考えたり、声に出したりしながら、集った人と共にからだのことばを見つめ、からだのことばを交わす場です。

私はこれまで10年ほど、からだのことばを手掛かりに演劇の創作に携わってきました。2022年の春からは知念大地さんと「しんしんし」という踊りの活動をひらきながら、これまで以上にからだを見つめる時間を過ごしています。
最近は、映像制作や誰かの相談ごとまで、何屋さんか分からない雑多な働き方をしていますが、創作活動も様々な仕事も、どんな場でもこれまでずっと一つのこと、“からだを見て、からだで考える”ということだけをやってきました。そして、その営みを自分は今のところ“演劇”と呼んでいます。(演、という文字にも、劇、という文字にも違和感があるのですが、言葉がないので、今のところ)

「わたし、感情の正解が分からないんです」
これは、先日20代の方と話していて、耳にした言葉です。

“感情”という言葉に“正解”が結びついた響きにギョッとしましたが、
この声は、現代を象徴するため息のように思えました。

様々な人とワークショップや創作の場を重ねていると、いま、“からだで考える”ということが、どんどん難しくなっていて、だからこそ余計にその必要性が増していると感じます。
自分の言葉を表に出したとき、どんな批判の槍が飛んでくるか、その反応を予測して縮こまってしまい(あるいは極端に強い態度を選択し)、正解だと判断しやすいもの、あるいは、誰かが言ってくれた責任を負う必要がない情報を頼りにしたくなる。感じていることは、確かに身体にあるけれど、それをなかったことにしないと、面倒でやっていけない。自分の身体を通過する違和感や、腹落ち感を確かめることは、今の時代、少し怖いことなのかもしれない。

“からだで考える”ことは、借りてきた知識ではなく、誰かの言葉の引用でもなく、その人自身が感じ、その人自身が思考することだと思っています。(その方法は、誰でも既に知っていることなんじゃないかとも思っています。ストレスが溜まったら体調が悪くなるし、嫌な予感は当たるし……)

ワークショップでも創作の場でも、誰かが作ったルールにスムーズに乗る訓練に長けた姿ではなく、それぞれがそれぞれの歩幅や歩調で歩む姿、その人本来の“はたらき”がはたらくべくしてはたらく姿に立ち合ったとき、わたしの身体はいつも安心するし、嬉しくなります。


もう、消費に巻き込まれるのもうんざりだし、論破する態度や、身体を置いてけぼりにした言葉の応酬にも辟易しています。時代が変わりゆくいま、からだを見つめて、からだから考えることは、、誰かが生きていく(死なない)ヒントのひとつになるかもしれない。
私は何かを教えるということはできないけど、集った人それぞれが “からだで考える” 場を創ることならできそうだ、ということで、そういう場を小さくともひらいていこう、と決めて、今年の秋頃からワークショップの企画を練ってきました。


現在、大学の授業等非公開で開催するものも含め、長野・東京の計5か所で「からだのことば ワークショップ」を予定しています。ワークショップは、公民館など借りれば、やろうと思えばどこでもできますが、ワークショップ自体も、できれば鍼を打つように、やるべき場所でやっていきたいと思うと、どこでひらくかの場所の選択も重要です。
今企画しているものは全て、これまで出会った魅力的な場づくりを実践している方々に相談し、共感を得ながら進めています。
そして、その第一弾として松本市の栞日で開催するのが、12月1日(木)の「からだのことば ワークショップ in 松本」です。

栞日さんは、生活すること・人が集い交わることの心地よさを丁寧に見つめ、しなやかに実践を重ねている場所です(本屋であり、カフェでもあり、向かいの銭湯も運営されていますが、何か一つのカテゴリーで紹介したくない感じ)。1年と半年住んだ松本で場をひらくなら、まず、栞日さんで開催したいと思い、栞日の菊地さんに相談して、今回ご協力いただくことになりました。

働いている人も、子育て中の人も、学生さんも、色んな方が参加できたら、と、朝と夜の二つの時間を設けています。
朝の時間は、栞日さんが運営している『菊の湯』という銭湯の2階の和室スペースで。夜の時間は、栞日さんで開催します。

ちょっと立ち止まって、自分の日々のまなざしや身体の感覚を、誰かと共に見つめることに関心がある方。
なんだか分からないけど気になる方。
ご参加、お待ちしております。

『からだのことば ワークショップ in松本』
日時:12月1日(木)10:00~/18:00~
場をひらく人:藤原佳奈

①朝の回
時間:10:00~12:30
会場:菊の湯 2階和室 (〒390-0811 長野県松本市中央3丁目8−30)
定員:8名
参加費:2,000円

②夜の回
時間:18:00~20:30
会場:栞日(〒390-0815 長野県松本市深志3丁目7−8)
定員:8名
参加費:2,000円

「からだのことばワークショップ in 松本」
▼【お申込み】▼
kanandance@gmail.comまで、①朝、②夜 ご希望の回をご明記の上、お申込みください。こちらからの返信を持って、予約完了とさせていただきます。

◎場をひらく人
藤原佳奈
身体の“態(たい)”を手がかりにわたしたちのはたらきを見つめる。2013年~2021年まで演劇創作ユニットmizhenの代表を務め、作家・演出を担当。2020年、東京から長野県松本市に移住。とよはし芸術劇場主催 高校生と創る演劇『Yに浮かぶ』脚本・演出。2022年神奈川県主催 分身ロボットOriHimeプロジェクト『星の王子さま』脚色・演出。同年春、兵庫県豊岡市に移住。知念大地とともに踊りを公共にひらく活動『しんしんし』を始動。

お問い合わせ
kanandance@gmail.com


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