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出会いが世界を広げていく/日下光アシスタントコーチ①

「出会いがきっかけとなりいろんな世界が広がっているので、僕は周りにすごく恵まれているなと思います」
そう語るのは日下光アシスタントコーチ。
ここでは親しみを込めて「ヒカルさん」と記します。
出会いが世界を広げていく――ヒカルさんの人生はまさに、そのようにして切り拓かれてきたのです。

名将からの誘いで地元を飛び出す

ヒカルさんがバスケットを始めたのは小学4年生のとき。
転機は中学3年生、高校を選ぶときに訪れます。
当時通っていた中学校は、宮城県でナンバーワンのチームでした。
県外の中学校とも練習試合が盛んにおこなわれており
そのうちのひとつが新潟市立木崎中学校でした。
同校は、その前年に全国大会の決勝戦まで勝ち上がった強豪校。
率いるのは富樫英樹監督。
B.LEAGUE、千葉ジェッツの富樫勇樹選手の父親であり、
現在は2022年のウインターカップを制した開志国際高校・男子バスケット部の監督です。

同じ宮城県には志村雄彦さん(現・仙台89res代表取締役社長)や宍戸治一さん(現・ミツウロコ女子バスケット部監督)がいました。
2人はのちに仙台高校でウインターカップを制する名ガードです。
彼らと同じ高校に行くか。
それとも県内の異なる高校で対戦をするか。
ヒカルさんは卒業後の進路を悩んでいました。
そんなときに富樫監督が声をかけくれます。
「試合に出られる保証はないけど、迷っているなら新潟商業に来てみないか?」と。

「高校を決めるところが僕にとって大きな分岐点になりました。そこで僕のバスケット人生が大きく変わったと言ってもいいと思います」
ヒカルさんはそう振り返ります。
今でこそ地元と異なる都道府県の高校に進学することは、
選択肢のひとつとして、当たり前のようになっています。
しかし当時は、よほどのことがない限り、地元の高校に進むのが一般的。
そんなときに富樫監督と出会い、ヒカルさんの世界はパッと広がったと言います。
勇気を持って地元を飛び出したヒカルさんは、
結果として高校2年生のときにインターハイ優勝を経験します。

スポットライトの当たらないところでも

もうひとつ、出会いがヒカルさんの世界を広げたエピソードがあります。
日本大学を卒業後、bjリーグ(当時)の仙台89ersでプロのキャリアをスタートさせたヒカルさんは、2012年に京都ハンナリーズに移籍をしました。
そして2016年にB.LEAGUEが開幕。
翌年、ヒカルさんは12年間に及んだプロ生活に終止符を打ちます。



そのタイミングでヒカルさんにアシスタントコーチとしての打診をしたのが、
レッドウェーブの前ヘッドコーチ、小滝道仁さん(現・東海大学付属諏訪高校アシスタントコーチ)でした。
実を言えば、京都もまたヒカルさんにスタッフとして残ることを打診していたそうです。
しかしヒカルさんは小滝さんとの出会いが強烈な印象を残したと言います。

「B.LEAGUEの1年目に、とどろきアリーナで川崎ブレイブサンダースとの試合があったんです。そのシーズン、僕はもうほとんどプレータイムがなくて、3分あるかどうかだったんですけど、僕自身はそうした状況でも腐ることが嫌だったんですね。だから思いっきりベンチで声を出したり、チームメイトを鼓舞したりしていたところ、その試合を見に来ていた小滝コーチが『あの人とやってみたい』と思ってくれたそうなんです。僕が引退を決めたとき、小滝コーチがわざわざ京都まで来てくれて、そのことを伝えてくれました。そのとき、僕の中で『そういうところを見てくれる人とだったら、僕も一緒にやってみたい』と思って、レッドウェーブのアシスタントコーチになることを決めました」

広がっていく世界で挑戦を

ヒカルさんより年下で、しかも当時こそヘッドコーチでしたが、
今はすでにその職を辞して、新しいステージに立っている小滝さん。
その彼を今なお「小滝コーチ」と呼ぶところにヒカルさんの人柄が垣間見えます。
また、当時の小滝さんとヒカルさんの間には接点はありません。
それでも小滝さんは大学の先輩を通じて、ヒカルさんにコンタクトをとりました。
「そういう”つながり”を強く感じたんです」

男子のプロリーグで12年間走り続けたヒカルさん。
コーチとは言え、見知らぬ女子バスケットへ進むことに戸惑いはなかったのでしょうか?
その答えもまた、ヒカルさんの人生を表すようなものでした。
「逆に世界が広がったという感じでしたね。それまで男子しか見ていなかったけど、女子バスケットという選択肢もあるなという感じでした。僕にとっては挑戦でもあったけど、小滝コーチから声をかけてもらって世界が広がったというか、確かにバスケットは男子だけじゃないじゃんという感じでした」
そう語るヒカルさんの表情は、試合会場で見せるような、穏やかさと温かさを湛えていました。

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