見出し画像

強豪チームで学んだ学生時代/赤木里帆①

中学時代から全国大会を経験し、
高校は名門、桜花学園高校へ。
東京医療保健大学では今なお続くインカレ6連覇の礎を築きました。

そんな学生時代を振り返ると、
“エリート街道まっしぐら”
と、受け取られるかもしれません。
しかし富士通レッドウェーブのガード、
赤木里帆選手(コートネーム:ヨウ)は、
けっしてエリートではありません。
むろんそれだけの実力は持っていますが、
むしろ周囲の環境に助けられながら、
必死に努力を重ねることで、道を切り拓いてきたのです――。

チームで勝つ楽しさと、その難しさを知った高校までの日々

バスケットを始めたきっかけは、ありきたりなものです。
4歳年上のお兄さんがバスケットをやっていたから。
それまでは柔道と水泳をやっていて、柔道では全国大会に出たことがあります。
しかし小学4年生で出合ったバスケットは、それらをあっさりと上回ります。
「個人競技の柔道より、チームメイトと勝つために頑張るバスケットがすごく楽しいと感じたんです」

ミニバスケでも頭角を現すと、コーチから
「あなたが攻めないとダメだよ」
と言われるほどに。
中学に進むと、NBAを観るようになり、1対1の力にさらなる磨きをかけます。
当時の専門誌は赤木選手を
「男子顔負けの1対1ができる選手」
と紹介しているほどです。



中学の全国大会はベスト16で終わりますが、
その実力を認められて、全国制覇50回以上の名門桜花学園高校へ。
その3年間を赤木選手は「とても濃い3年間でした」と振り返ります。
「桜花学園に来る選手はみんな個性が強くて、すごく楽しかったのですが、その分、ぶつかることもよくありました。でも、そのたびにみんなで話し合って、次に進めるような関係を築けたことはよかったと思いますし、だからこそ今でもみんな仲がいいんです」

当時の高校生たちには1年間に主要な全国大会が3つありました。
赤木選手たちの代は3年間で8回の全国制覇を経験しています。
もちろんそのすべてに赤木選手がベンチ入りしていたわけではありませんが、
トップレベルで戦っていく厳しさを、身を持って感じていくわけです。

4年目の方針転換も、自らを解放した大学時代

「大学の4年間も濃かったです」
そう言って笑うほど、東京医療保健大学での日々も充実していました。
「本当にもうバスケ漬けの毎日で、こんなにバスケットをすることは、この先もないのではないかと思うくらいバスケットのことを考えていました。ただ最初の3年間は、恩塚(亨・現女子日本代表ヘッドコーチ)ヘッドコーチの指導方針も今とは異なり厳しいものでした。選手たちもどこか『やらなきゃ、やらなきゃ』と考えてしまって、バスケットを楽しむというよりも、圧を感じながらプレーしたように思います。それが4年目に180度変わって、選手自身がワクワクするような、楽しむバスケットを伸び伸びとやらせてもらいました」

厳しい言葉であっても、それを素直に聞き入れるため
結果として縮こまったプレーをしてしまうことが多い。
赤木選手は自らの性格をそう分析します。
それが4年目に「選手みずからがワクワクするようなバスケットをしよう」という指導方針に変わったことで、
当初は戸惑った赤木選手でしたが、水を得た魚のように自らを解放します。
1年生のときから始まったインカレの優勝も、自身が4年生のときには連覇を「4」まで伸ばし、大会MVPも獲得します。
「大学で恩塚ヘッドコーチに教えていただいたことは、私がこの先、現役生活を終えたあとのキャリアを考えても、とてもためになるものでした。実の詰まった4年間だったので、東京医療保健大学に入って恩塚ヘッドコーチに教えてもらって、よかったなと思っています」

コーチの数だけバスケットの考え方はある

しかしコーチの影響力が強ければ強いほど、
また、選手がそれを受け入れれば受け入れるほど、
次のステージでは考え方の違いに苦しむこともあります。
赤木選手もそうでした。
「富士通に入ってきたときに、『どうして?』と思うことも多くありました」
たとえば、大学時代は選手自身が試合の状況や流れを感じ取って、シュートなのかドライブなのか次のプレーを判断していました。
決められた形はあれど、チームメイトもボールマンの判断に従って、次の動作を選択していたのです。



しかし、富士通は「チャンスがあれば、積極的にシュートを打つべき」という考えのもとチームプレーが組み立てられていて、入団1年目はそれをうまく体現することができませんでした。
「もちろん(BT)テーブスヘッドコーチから『チャンスなのだからシュートを打ちなさい』と言われることは、『打ってはダメ』と言われるよりも、期待されている分、萎縮せずに思い切り打つことができます。しかし、流れを見て、シュートフェイクからドライブを選択したときに『今は打てたでしょう?』と言われると、自分の判断が間違っていたのかと自信を失うこともありました」

大学の最終学年で、自らが理想とするバスケットに出合った分、
富士通では1年目に苦しんだと認めます。
しかし、経験を重ねるごとにテーブスヘッドコーチの考えるバスケットも素晴らしいバスケットだと理解でき、2年目のシーズンの飛躍へとつなげていくのです。



#9 PG 赤木里帆 Riho Akagi



------------------------------------
🏀富士通レッドウェーブ公式HP
[ Women's Basketball FUJITSU RedWave]
https://sports.jp.fujitsu.com/redwave/
🔔Twitter @Fujitsu_Basket
📸Instagram @fujitsu_basket
🎬YOUTUBE @REDWAVE CHANNEL
📗note @fujitsuredwave

【試合日程】オータムカップ2023in奥州は9月8日(金)から3日間
詳細はこちら

ご声援よろしくお願いいたします!