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2022-2023シーズンを振り返って①

アクシデント――

レッドウェーブの2022-2023シーズンを振り返るとき、
どうしてもこのワードが浮かび上がってきます。

レギュラーシーズン16勝10敗。5位。
プレーオフはクォーターファイナルで敗れました。
前年のファイナル進出を思うと、物足りないと思われる方も多いかもしれません。
しかし度重なるアクシデントに見舞われながら
レッドウェーブは最後まで諦めることなく、シーズンを走り切りました。
アクシデントがなければ……。
そう思う方もいるかもしれません。
それほどまでにアクシデントが、2022-2023シーズンのレッドウェーブをもたげていたのです。

もちろんスポーツにアクシデントはつきものです。
トレーニングを重ね、適切な動きをできるようにしても、
身体接触のあるバスケットでは、
アクシデントは起こってしまうものです。
そうだとわかっていながら、
これだけコートを離れざるを得ない選手が続出すると、
アクシデントを恨めしく思い、
チームづくりの苦慮を思い返さないわけにはいきません。

またアクシデントがすべての苦しみの元凶とも言いません。
それを凌駕するだけの力をチームとして持てなかったことも事実です。
一方で「怪我の功名」といってはいけませんが、
数々のアクシデントを乗り越えようと、
ステップアップした選手たちもいます。
アクシデントがレッドウェーブを強くした、と見る側面もなくはないのです。

アクシデントに苦しみ、
アクシデントに強くさせてもらう

レッドウェーブにとっての2022-2023シーズンは、そんなシーズンだったと言えます。


若き才能が片鱗を見せ始めたオータムカップ

シーズンの始まりは、順風満帆とまでは言いませんが、けっして悪くない船出でした。

篠崎澪さん、内野智香英さん、星田美歩さんが現役を退き、
オコエ桃仁花選手、栗林未和選手は新天地へ。
チームの中心を担っていた選手たちが抜け、
町田瑠唯選手、宮澤夕貴選手、内尾聡菜選手らを軸に据えながらも、
経験値の浅い若手が多く占める今シーズンの陣容でした。

しかも町田選手はリーグ開幕の約1か月半前にアメリカから帰国。
WNBAという大舞台を経験したことは、彼女にとっても、またチームにとっても、大きな財産です。
しかしチームメイトとのコンビネーションを何よりも大事にする彼女にとって、
開幕1か月半前の合流は、どこか不安があったようにも思います。

宮澤選手もまた、開幕直前まで「FIBAバスケットボール女子ワールドカップ」に参戦していました。
その大会ではグループ予選敗退と、いわば失意の帰国でした。

軸となる2人がやや出遅れてのスタートとなりましたが、
内尾選手を中心に、シーズン開幕前のオータムカップではブロック優勝。
「3ゲームを戦って3勝できたことは、みんなの自信につながるし、大きな意味を持ちます」
ガードとしてチームを引っ張った岡田英里選手がそう振り返れば、
宮澤選手、オコエ選手がいないなか、センターとしての実力を開花させた藤本愛妃選手は意識の変化について言及していました。
「今のメンバーを見たとき、得点を取ったり、チームを引っ張っていくべき存在にならないといけないと意識して、この大会に臨みました。その手ごたえはあります」
岡田、藤本といった3年目の選手が自覚を持ってコートに立っていたことは、
新しいシーズン開幕に向けて、明るい材料でした。
また今シーズンから移籍加入してきた江良萌香選手も、BTテーブスヘッドコーチから
「プレシーズンで一番活躍した選手。今シーズンから入ってきたのに、すでにレッドウェーブの選手になっています」
と称賛されるほどでした。
ここに町田選手と宮澤選手が加われば……期待は間違いなく膨らんでいました。


しかし、オータムカップで勝ったからといって、リーグ戦も思うように進むわけではありません。
むしろ課題が続出し、それを一つひとつクリアにしていく作業をしながら、
前シーズンのレッドウェーブにどこまで迫れるか。
新しい挑戦のシーズンだったのです。
それでも船出は決して悪くないものだったと言えるでしょう。

ライバルを圧倒するも、苦い薬も飲まされた序盤戦

Wリーグとしては10月19日に、
レッドウェーブとしては10月21日に2022-2023シーズンが開幕しました。
町田選手と宮澤選手も加わり、新しいスターティング5で開幕5連勝を飾ります。
しかも第2週はENEOSサンフラワーズとの対戦です。
初戦を<91-54>で快勝すると、2戦目も<63-54>で競り勝ちました。
もちろんENEOSにも日本代表活動で合流が遅れた選手や、

ケガで出遅れていた選手がいたため、万全な状態ではありませんでした。
それでも切磋琢磨し続けてきたライバルチームです。
何度も苦汁を嘗めさせられてきた相手でもあります。
そのENEOSに連勝できたことは、大きな自信にしてもよいはずでした。
テーブスヘッドコーチも初戦を終えたとき、
「ミスもありましたが、40分間、レッドウェーブらしいディフェンスができました。(現時点での)チームの形ができてきたと感じます」
と言っていました。
2戦目のあとも
「ストレスのたまるゲームでしたが、勝つことが一番大切です。次につながるゲームですし、このような競り合いに勝つゲームができるということは、他のトップクラスのチームにも勝つ力を私たちは持っているということです」
と、進化していくチームに一定の手応えを感じていました。

第3週はホーム、とどろきアリーナでの山梨クィーンビーズ戦。
2戦目には、宮澤選手が通算3000得点を超す記録を達成しますが、
チームは今シーズン初の敗北を喫します。

そこから1か月は「バイウィーク」と呼ばれる期間に入り、リーグ戦は一時中断
手痛い敗北を喫しながらも、それを薬にすべく、
コンビネーションを含めて、もう一度チームをブラッシュアップしていきました。


開幕週に岡田選手が離脱するなどのアクシデントはありましたが、
流れとしてはけっして悪いものではありません。
ここからまた大きな波を掴んでいければ、
前年を超える成績も夢ではない。
チャレンジを続けるだけ。
そう思えるシーズンの序盤でした。

<後編に続く>

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