いつだって全力で、うまくなりたい!/赤木里帆②
大学時代に、自らが「これ」と思えるバスケットに出合った
富士通レッドウェーブの赤木里帆選手(コートネーム:ヨウ)。
しかしそれが富士通での1年目に苦しむ要因にもなります。
レギュラーシーズン全24試合のうち(うち4試合が不成立)、
出場できたのは9試合に留まります。
前年のインカレでMVPを獲得した赤木選手からすると、
たとえルーキーイヤーだとしても、悔しい思いはあったはずです。
ただ、そこで簡単に折れない心を持っていることが、
赤木選手をステップアップへと導いていきます。
根底にあるのは、いつだって「うまくなりたい」です――。
自信がないからこそ、自信を持てるだけの練習をする
大分の中学校から愛知の名門、桜花学園高校に進んだとき、
周囲の実力の高さに驚かされたと言います。
それは大学に進んだときも、富士通に進んだときも同じです。
「毎回、次のステージに進むと、『今のままの私では駄目だ』と思うんです。それは今も変わらず、ずっと今の自分には満足していません」
そうした飽くなき向上心が赤木選手を支えていると言えます。
「自分に自信がないんです。次のカテゴリーに進んだとき、周囲に圧倒されるというか、各カテゴリーのトップクラスは並外れたレベルの選手しかいない世界だなと思ってしまうのは、そのせいでもあります。ただ自信がないままだとプレーもうまくいかないので、練習して自信をつけて、やってきたことをやろうとしています」
そのステージから降りれば、簡単なことかもしれません。
並外れたレベルの選手たちと対戦することもなければ、努力をする必要もないのですから。
しかし赤木選手はその道をけっして選びません。
「やはり、もっとうまくなりたいという気持ちがあるんです。自分に足りないものを持っているさまざまな選手を見て、学んで、吸収して、自分ももっとうまくなりたいと思っているので、周囲のレベルの高さに心が折れることはないんです」
今でこそポイントガードとシューティングガードを兼任できる、いわゆる「コンボガード」ですが、
元々はシューティングガードでした。
富士通ではそのポジションに篠崎澪さんがいました。
大学4年生から始めたポイントガードには、町田瑠唯選手がいます。
どちらも簡単には乗り越えられない、とてつもなく高い壁です。
でも、だからこそ、学べるところがある。
吸収して、自らを高めることができる。
赤木選手はそう考えて、富士通での2シーズンを過ごしてきたと言います。
2年目の昨シーズンはレギュラーシーズン全26試合のうち、19試合に出場。
6試合でスタメンも経験しています。
少しずつ学びが成果につながっているのです。
バスケット選手である前に、人として大事なことを
もちろん、まったく試合に出られないこともありました。
悔しさがないわけでも、落ち込まないわけでもありません。
それでも赤木選手はこう言います。
「性格的にも、すべてをポジティブに考えるタイプです。試合出られなかった時間だけバイクを漕いで悔しさを次に繋げようとしますし、試合の翌日多くの選手がアクティブレストをする中、プレータイムの少なかった選手は練習があり、それさえもすべて自分のためだと思っています。そういうとき、選手は雰囲気が暗くなりがちですが、私は声を出して、みんなを鼓舞して、どうしたら状況が良くなるのかを考えるほうがいいなと、ポジティブに考えているんです」
彼女のプレースタイル同様、心も前向きで、熱いものを持っています。
そうした考え方にたどり着けたのは、性格もありますが、恩師の言葉もあると言います。
「中学のコーチから事あるごとに『バスケット選手である前に、人としてきちんとしてないと駄目だ』と言われていたので、それが心に残っているのかもしれません。中学生のときはなかなかそれに気づけなかったんですけどね(笑)」
中学生のときには気づけなかったことも、高校、大学、富士通へと進み、その言葉の真意に気づいたからこそ、
赤木選手は自らの置かれている立場に一喜一憂することなく、
自らを磨き続けられています。
個性とチームを合致させて、3年目のさらなる飛躍へ
富士通でバスケットの奥深さに触れ、より磨きをかけている赤木選手は、
3年目のシーズンに突入します。
大学の1学年先輩である岡田英里さんが引退し、プレータイムの増加が期待されますが、
ポイントガードには町田選手だけでなく、ルーキーの安江沙碧梨選手も台頭してきています。
シューティングガードには林咲希選手が加入し、江良萌香選手もいます。
彼女たちとの激しいライバル争いは続きます。
しかし、赤木選手はそれさえも楽しみたいと言います。
「ヘッドコーチが誰を起用しようと、私がどのような状況で、どれだけの時間、試合に出ようとも、私がやるべきことは変わりません。もちろん練習中は競争をするんですけど、それも楽しいですね。いろんなタイプの選手がいて、どの選手もみんな上手いので、私がポイントガードで出たときは、そうしたみんなの特長を生かせるようなパスを出せるよう、うまくゲームコントロールしたいです。だからライバルがたくさんいることに苦しむようなことはまったくないですね」
自身がうまくなることで、チームをより高みへと導きたい。
そのうえで、少しずつ積み上げてきた自信もコート上で表現したいとも言います。
「自分にしかできないプレーがあると思うので、思いっきり自分を表現することもしていきたいです。ただ、3年目ですし、富士通の目指しているバスケット――ディフェンスもオフェンスもだんだんわかるようになってきたので、それをコートでしっかり表現しできるようにしていきたいと思います」
赤木選手が持つ個性を存分に発揮しながら、それをチームプレーにうまくフィットさせたとき、
チームの勝利はさらに増え、同時に赤木選手もより輝くことになるのです。
#9 PG 赤木里帆 Riho Akagi
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