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穏やかだが、熱く光る風をチームに/日下光アシスタントコーチ②

いつも穏やかで、温かい表情を選手たちに向け、
レッドウェーブを陰から支える日下光アシスタントコーチ。
ここでは「ヒカルさん」と呼んでいますが、
彼は出会いを大切にして、世界を切り拓いてきました。

プロ選手としての12年を経て、
2017年からレッドウェーブのアシスタントコーチへ。
そのキャリアもすでに6年目を迎えています。

教えすぎないコーチング

「女子バスケットの世界に入ってみて、すごく感じたのは、男子ももちろん一生懸命練習するんですけど、女子の方がよりひたむきに練習するなというものでした」
その一方で、すべての選手がそうではないと前置きしたうえで、
女子選手はもっといろんなゲームやプレーを見たほうがいいとも言います。
Wリーグに限らず、B.LEAGUEでも、NBAでも、上達のヒントはどこにでもあります。
それら映像をうまく活用できれば、もっとうまくなれる。
選手として、さまざまな経験を積み重ねてきたヒカルさんだからこそのアドバイスです。

しかし、そのひとつ手前にもう一段階があると釘を刺します。
「まずは自分たちの映像をしっかり見てほしいと選手たちには伝えています。そこで何かに気がついて、僕たちコーチに聞いてきたときに、たとえば『こういう選手の、こういうプレーが参考になるんじゃない?』といった話をするようにしています」
まずは自分がどういうプレーヤーで、どこに長所や短所があるのか。
それらはゲームでどのように発揮されているのか。
あるいは、されていないのか。
長所と思っていることさえ発揮できないのであれば、どこに問題点があるのか。
自分なりに分析し、考え、その問題を解くヒントを得ようと思ったとき、
初めて他の選手やチームの映像が生きてくるわけです。
「僕のコーチング哲学として『教えすぎない』という考え方があります。僕自身、選手時代に何かを言われてやるのでは自分自身が成長しないと思っていたんですね。まずは自分で考えて、そのあとにコーチである僕たちを利用してほしいと思っています」


3人のヘッドコーチから学んだこと

そのコーチング哲学を紡ぐ過程には、
浜口炎さん(富山グラウジーズ前ヘッドコーチ)の存在があります。
「ドラフト1位で仙台89reに入団したとき、炎さんに『僕はどういうプレーヤーになったほうがいいですかね?』って聞いたんです。そうしたら『今のままでいいから一生懸命頑張りな』って返されたんですよ。そのときに気がつきました。若い選手はつい、プロとしてどうなりたいかということを考えがちだけど、まずは自分の生き方や強みを生かしていくことが先決なんだなって」
まずは選手自身が考え、実行し、コーチはそれをサポートしていく。
ここでもまた一人のコーチとの出会いが、ヒカルさんの世界を広げています。

もちろんコーチとしての礎は浜口さんだけではありません。
ヒカルさんをレッドウェーブに導いてくれた小滝道仁・前ヘッドコーチ。
そして今ともに戦っているBTテーブスヘッドコーチも大きな道標です。
「小滝コーチはやはり情熱ですよね。本当に練習から熱かったです。当時は今よりも少し長く練習をやっていたんですけど、午前も午後もその熱が収まることはなくて、女子のヘッドコーチってこうじゃなきゃいけないのかって思ったほどです」
コーチとしての“日下光らしさ”を積み重ねているヒカルさんにとって、
年齢に関わらず、関わったすべてのコーチが学びの対象です。
「BTからは準備の細かさを学んでいます。僕たちが『もうこれぐらいでいいんじゃないかな』と思うところでも、彼は『もう少しここをこうしたらいいんじゃないか』と、チームをよりよくするために、チームが勝つために細かいところまで気を配っています」



コーチに転身して以降、関わる時間が最も長くなっているテーブスヘッドコーチからは、ほかにも学んでいることがあります。
それは今のヒカルさんが抱える課題でもあります。
「僕の課題として、選手たちに厳しいことを要求しているつもりでも、それがまだ甘いと感じる部分があります。やはりBTはすごいですよ。厳しいことも単刀直入に言いますから」
勝負の世界で生きるためには、ときには厳しさも追求しなければいけない。
ヒカルさんはそれを今の課題にしています。

もちろんその厳しさは選手のことを思ってのことでなければなりません。
「BTは厳しく言った後でも、練習後に必ずその選手に声をかけているんですね。そこはすごく学べるところです。言いっ放しじゃない。だから僕はそういうシーンまで見るようにしています。『あ、今声をかけに行っているな……そうか、なるほど、今なのか』って」
コートのうえだけでなく、むしろコートを離れたときの人間性。
選手との距離感。
コミュニケーションを取るだけでなく、あえてそれを取らないことも大事だと、ヒカルさんは学んでいるのです。


ポジティブで明るく光る風を吹き込む

学生時代に輝かしい成績を残し、
プロとしても12年間、リングに向かい続けたヒカルさん。
コーチとしても6年のキャリアを積み上げていますが、
本人はまだまだ発展途上だと認めます。
そのうえで残りのシーズンを、アシスタントコーチとして、このように意気込みます。

「僕はネガティブになるのが大嫌いなので、常にポジティブに、チームのために明るい風を吹き込みたいなと思っています」

穏やかだけれども、その実、熱い。
そんなヒカルさんの“風”が、これからのレッドウェーブをさらに後押ししていきます。

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【試合日程】レッドウェーブの次戦は2月25日(土)に平塚で!
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