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したたかに、しなやかに/宮澤夕貴②

富士通レッドウェーブに新しい風を吹き込んだ
宮澤夕貴選手(コートネーム:アース)も、
3年目のシーズンを迎えています。

原点回帰と言ってもいい、
しかし、かつてとは異なるレベルでオールラウンダーへの道を走り出しています。
しかも自らの進化を心から楽しむように――。

オフコートの“人間・宮澤夕貴”

身長183センチ。
コートでは、長くて、きれいな髪をうまくまとめ、
指先のネイルが程よいアクセントになっています。
そんなスタイリッシュで、かっこいい宮澤選手ですが、
オフに何をしていることが好きですか? と問うと、
「温泉に行くのが好き。自然が好き。美味しいものを食べるのも好きです。ショッピングも好きですし、あとは自分磨きが結構好きですね。月に1回のペースで美容院に行くし、マッサージも好きです」
宮澤選手の言う美味しいものとは、ずばり甘いもの。
体重の変化に気をつけながら、ときに断つこともありますが、
必要以上にストレスを溜めないよう、
「今日は食べ過ぎかな、やめた方がいいかなって思っても、いや、今日は食べる日だからって割り切って食べるときもあります」
かっこいいだけではない、ちょっと甘めな宮澤夕貴もいます。



自他ともに認める、物事をはっきりと口にするタイプ。
バスケットに関しては、自らも「まじめ」だと言います。
「ただプライベートは、けっしてまじめなだけではないと思います。たまに1日何もしない日だってありますよ。YouTubeを見たり……コムドットが好きなんです。彼らはめちゃくちゃポジティブで、彼らのYouTubeを見ると元気がもらえるんですよね。よい影響を与えてくれるものが好きなんです」
休日の過ごし方は、同世代の女性とさほど変わらないのかもしれません。

富士通レッドウェーブの宮澤夕貴として

もちろん、コートに立てば日本を代表するトップアスリートのひとりです。
シーズンに話を向けると、甘めの宮澤夕貴はいなくなります。

昨シーズンに引き続き、キャプテンを務めます。
ただ、ここではキャプテンとしてではなく、宮澤選手個人の思いを問いました。
すると、少し悩んでから、こう答えます。
「昨シーズンは自分にシュートチャンスがあっても、よりノーマークでいる選手がいたら、パスを出していました。でも今シーズンは打ち切りたい……自分がシュートを打ち切りたいと思っています。そういう責任を背負いたいと思っているんです」

これもまた宮澤選手のステップアップと捉えることができます。
彼女の実力は、言うまでもなく、日本でトップクラスです。
しかしバスケットは1人でおこなうものではありません。
チームとして戦う以上、よりよい選択肢があれば、そちらを選択するのがセオリー。
加えて、“大黒柱”と呼ばれる選手がいれば、優先順位はその選手が上になります。
宮澤選手も高校時代は“大黒柱”でしたが、
Wリーグに入ってからはそうでなくなり、
どこかで、その気概が希薄になっていたのかもしれません。
「チームで戦う」ことを前面に押し出していたことも、
それが引き金になっていたのかもしれません。



そこから一歩踏み出そうというわけです。
「シィ(篠崎澪)さんが引退された後の昨シーズン、どこか良くないなと感じていたんです。それを改めて思い返してみたときに、『これは私の責任だ』と思うことがたくさんありました。それをなくしたい。チームによい影響を与えるために私は何をすべきかを考えようと」
心のどこかで「移籍者」というレッテルを剥がしきれていなかった昨シーズン。
生え抜きでない私がやっていいのか。
そんな思いを、今、きっぱりと断ち切ろうとしています。
「3年目になって、私のなかに『富士通レッドウェーブの宮澤夕貴』がしっかりと根付いていて、レッドウェーブをどうにかしたいって強く思っているんです」

強さだけではない、しなやかな風として

そう考えられるようになったのは、ファンのみなさんのおかげだと言います。
以前は自分が「うまくなりたい」と考えていました。
自分がうまくなって、
「日本代表に入りたい」
「世界の強豪国と互角に渡り合いたい」
それらがモチベーションになっていたのです。
しかし今は違います。
「期待してくださる人たちがいるから、頑張れるんです」

もちろん「うまくなりたい」という思いは今もあります。
「でもそれは、ファンや友人たちの『期待に応えたい』なんです。だから『うまくなりたい』んです」
閉ざしかけていた日本代表への思いも、
「日本代表での活躍も期待しています」
「アースが次のオリンピックに出たら……」
というファンのメッセージで、再び奮い立っていると言います。
選ばれるかどうかはわかりません。
ただ、これまで自分に向けられていたベクトルが、
応援してくださる人たちに向いたとき、
宮澤選手はさらに新しい風を吹かせてくれるのではないでしょうか。

むろん、日本代表だけの話ではありません。
「ここ何年もレッドウェーブは優勝できていません。だからこそレッドウェーブを勝たせたいんです。そのためにも、私自身がもっとうまくなりたい。そう思うようになったんです」



背中で引っ張るリーダーが多いレッドウェーブにおいて、
宮澤選手は言葉でもチームを引っ張れる存在として、
新しい風を吹き込ませました。
しかしその風も、ときを重ねて、変化しています。
プレーヤーとしてはもちろんのこと、人としてもさまざまな経験を重ね、
強さだけではない、人を想う心地よい、しなやかな風をレッドウェーブに吹き込んでくれそうです。



#52 PF 宮澤夕貴 Yuki Miyazawa



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