捨てきれなかった情熱/山岸明生①
富士通フロンティアーズの、そして
日本アメフト界のエースLB（ラインバッカ―）、
として期待を集める山岸明生。
関西学院大学時代から、U19日本代表主将を務め、
近年もCFL（カナディアン・フットボール・リーグ）に
挑戦するなど、世界レベルの実力を持つ彼。
しかし、そのキャリアには何度も
ターニングポイントがありました。
高校卒業後、単身で関西へ進学
中央大学附属高校に入学し、高校一年生の時に、
顧問の先生に誘われたのと、
「マッチョになりたい（笑）」という不純（？）な
動機から、アメフトに興味を持った山岸。
幼稚園から中3までサッカーをやっていたこともあり、
キッカー兼任のLBとして、キャリアをスタート。
試合に出始めるとだんだん面白くなり、
高校3年時には関東準優勝まで上り詰めました。
そして、大学からは関西の強豪校「関西学院大学」に
東京から進学。一人で関西へ行く、決断を下します。
「そのまま附属の高校から進学して中央大学でプレーする話もあったので、当時は周囲から呼び止められたり、4年間関西に行く不安もありました。でも、色々悩んだ結果、決断しました。友達とかはすぐできましたが、まぁ関西弁になれるのが一番苦労しましたね（笑）」
主将としての貴重な経験
大学でも主力となった山岸は、大学2年時に
U19日本代表に選出。遠征先のクウェートでも、
熱く語って背中で見せる、
リーダーシップを発揮します。
「練習初日にキャプテンに指名されて、初めての主将経験でしたが、約3週間のチームで良い経験をさせてもらいました。組織を背負うとか、先頭に立つ大変さや難しさ、 やりがいなど体験できたのは、その後にも生きていると思います」
3年の時に怪我をするも、山岸は大学4年で
関西学院大学の主将を務め、学生優勝。
年間最優秀選手賞を受賞するなど、
輝かしい成績を残します。
しかし当時、アメフトは大学で
やめようと思っていました。
「当時は学生日本一になってライスボウルで勝つことしか考えていなかったから、その年で燃え尽きるって決めていたんですよね」
それでも、捨てきれない情熱が、彼の心を動かします。
何のためにこのチームにいるのか
結果的に就職活動をして、一般で富士通に入社。
そこでフロンティアーズの練習を見に行って、
気持ちが変わりました。
「選手たちを見た時、やはり自分としては、もう1度新しいチームで頑張りたい。フィールドで動くことが自分の喜びと感じて、その場で常盤ゼネラルマネージャーに”やっぱり入ります”と伝えたんです」。
ただ、社会人一年目・二年目は
ほろ苦い記憶が伴います。
「大学4年時に、怪我を直しきらずプレーしたのもあって、社会人1年目も自分の思い通りのプレーができなかった。それで、怪我を治すことに専念して、選手登録を見送りました。迎えた2年目、”今年こそやるぞ”と意気込みましたが、プレーが鈍っていたり試合に出られなかったり、もどかしい状態が続いたんです」
「やめると言ったり、やっぱり入ると言ったり、でもプレーもできない。 何のためにこのチームにいるのか、”そこにいるだけ”なのが一番辛かった。それで、2年目の終わりに引退届けを出したんです」
腹を括った結果
全く思った通りにプレーできなかった
山岸は引退を決意します。
それでも、コーチに引き留めてもらったり、
学生時代にお世話になった方々から
「それで本当に後悔しないのか」
「少しでもそういう気持ちがあるなら、
もう1年やって決めても遅くないのではないか」と
言われて、考え直しました。
そして、その翌年。
3年目で本当に試合に出られなかったり、
活躍できなかったら、 もう辞めようと
覚悟を決めて臨んだラストイヤー。
それが転機となりました。
「そこから、怪我人の関係もあって、試合にスタメンで出られるようになり、徐々に活躍できるようになりました。自分が『もう今しかない』って本当に腹を括った。自分のミスでチームが負けるんだと、覚悟を決めて取り組んだ結果、だんだん内容がついてきました」
やっと自分なりのチームへの貢献の仕方が
わかってきた山岸。
その飛躍は、次なるステップ、
国外へと彼を導きます。
➡VOL.2へ続く
【🏈#47 LB（ラインバッカー）】
山岸 明生 AKIO YAMAGISHI
CFLグローバルドラフトで2巡目に選出された実力派LB。恵まれた体格を生かしてブロッカーに対処、激しいタックルでチームにモメンタムを引き込む。
文：守本和宏／ナノ・アソシエーション
2009年より富士通フロンティアーズの取材・撮影・WEB制作・インフラ管理などを担当。東京での企画・制作会社勤務を経て、2004年からスペイン・バルセロナに移住。フリーのサッカーライターとしてヨーロッパ選手権などでライティングを担当。日本帰国後は企業スポーツの取材・撮影など、WEBを中心にスポーツコンテンツの制作に関わる。
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【試合日程】
◆Xリーグ2022 秋季リーグ
X1 Super 第1節
富士通フロンティアーズvs東京ガスクリエイターズ
9月10日（土曜日） 14:00〜 ＠富士通スタジアム川崎
X1 Super 第2節
富士通フロンティアーズvsイコールワン福岡SUNS
9月24日（土曜日） 14:00〜 ＠富士通スタジアム川崎
X1 Super 第3節
富士通フロンティアーズvsアサヒ飲料クラブチャレンジャーズ
10月9日（日曜日） 15:00〜 ＠王子スタジアム
X1 Super 第4節
富士通フロンティアーズvsエレコム神戸ファイニーズ
10月22日（土曜日） 12:00〜 ＠エキスポフラッシュフィールド
X1 Super 第5節
富士通フロンティアーズvsオービックシーガルズ
11月6日（日曜日） 14:00〜 ＠会場未定
ご声援よろしくお願いいたします！
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