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2度の大怪我から再びフィールドへ DB#27奥野喬平

今季、6年目を迎える奥野は、怪我からの復帰を目指しています。

怪我からの復帰を目指す選手は、少なくないのですが、奥野は2回の前十字靭帯断裂を経験。1回ならず2回までも大怪我を負い、乗り越えてきました。その過程では、人一倍悔しい思いをしてきたのは、容易に想像がつきます。それだけに、今季にかける想いは強くなっています。

2018年の入社当初から怪我に悩まされてきました。「肉離れを繰り返していて、やっと治ったと思ったら、逆の足の肉離れが起きて、今振り返ると怪我ばかり。まともにシーズンを送った記憶がありません」。

入社後は「半年毎に肉離れを繰り返していた」という印象で、3年目の2020年の春に前十字靭帯を断裂。2022年の5月にようやく復帰したものの、復帰2週間でまたも練習中に再断裂を負ってしまいます。

「本当にショックでしたし、混乱していました」。

復帰2週間での再断裂は、競技人生にも影響を与えるものでした。
「1回目の時は、チームメイトに同じような怪我をして復帰している選手がいたので、いい意味で休んで、体を直して出直そうと、前向きに考えられていました。でも2回目はきつかったですね。怪我が治ったところで競技に復帰できるレベルになるのかもわかりませんでしたから」。

手術やリハビリ、苦しい時間を経験しているからこそ、またその思いをしなければならない。アスリートに限らず、多くの人が落ち込んでしまう状況だと思います。当時を振り返って「正直、引退を考えた」と話します。

けれど、今季奥野は再びフィールドに立つことを目指しています。どんな思いでここまで来たのでしょうか。

「高校からはじめたアメフト。これで辞めていいのか、って自問自答した時に、まだ早い、ここで辞めたら、後々後悔するだろうって思ったんです。そんな気持ちがあるなら、やってやろうと、続けることを決意しました」。

選手続行を決めたのは、周囲のサポートも大きかったそうです。チームメイトからは「まだいける」と励まされ、試合を見れば「自分もやりたい」、「フィールドに立ちたい」という思いが強くなっていきます。さらに一緒にフロンティアーズで戦った兄の敬介さんからも「せめて自分が引退した歳と同じ歳まで頑張れ」と言われたことも後押しになったといいます。


食生活を見直し、新たなトレーニングも取り入れ怪我をしない身体へ

社会人になってから、怪我をするようになったという奥野。1、2年目は新たな生活になったこともあり、しょうがないと思っていましたが、3年目からは「何か変えないとダメだ」と食事、トレーニング、ストレッチ、ケアと学生の頃とは違ったアプローチを行ってきました。

同時期に、ウェイトを増やしたことも今では怪我につながったと考えており、今オフのトレーニングでは「筋トレに加えて、バランス系のトレーニングを強化した」と話します。

さらに「脂っこいものも好きなので、バランスの良い食事も心がけています」と、以前よりも食事面にも気を使っています。

「ようやく復帰できたので、思い切ってぶつかっていきたい」。今季はルーキーのようなフレッシュな気持ちでアメフトと向きあっています。


Vol.2に続く