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#141 鶏天のキャベツと甘いだし巻き

「ここだけ違ったら最高なのに…」そんな感想を抱くことが世の中には沢山ある。政治や経済で自分の損得に関わる話、好きなアーティストや芸能人の性格のここが惜しい、ある分野において専門性が高い学者や著者の一領域においてのみ非科学的根拠での言動が見られる、などなど挙げたらきりがないだろう。そんな"惜しい!"と思うような出来事を僕は大分県の別府にて2回/日、体験したのでここに記す。
九州旅行で大分、宮崎に4泊5日で来ており2日目の今日は大分の別府にて地獄温泉巡りをしてきた。そもそも地獄温泉とは大分県別府市に存在する含有物の違いから異なる色をしているのが特徴の源泉で、有名所だと海地獄や地の池地獄をはじめとする別府温泉の総称である。先述の二箇所は2009年に国の文化財指定を受けてもいる。温泉と名の付くこともあり僕も現地に来るまで入浴巡りをする場所かと思っていたが、否観覧が目的とされる観光の目玉であったのだ。
名前の由来を調べ納得しながら地獄巡りをする途中、お腹が減った昼過ぎにハンバーガーを打ち出す飲食店を地の池地獄前にて発見。ここで出会った料理が大分といえばでお馴染み鶏天。一言で言えば"美味しい"と感想が着く料理であったが、それゆえなんとも歯痒い点が。なんと、鶏天の下にキャベツの千切りが敷かれてあったのだ。「カリッフワッサクッ」の下に!普通の鶏天であればそこまで気にする事がなかっただろう。だがその店の鶏天は衣の油に雑味がなく食感も絶妙、観光名所で振る舞われるのに相応しいレベル。であるがゆえ、少量のキャベツといえど無視できなかったのである。
更には同日夜にお邪魔した居酒屋にて今度はだし巻き玉子で歯痒さが…。食べ応え=食感=硬さ、香り=だしの量、それぞれがベストであるにも関わらずそこに"甘み"が存在していた!その甘みさえなければ「だし巻き玉子がうちの名物です。別府に来た際には是非お立ち寄りを」と宣伝しても大声にならないくらいのクオリティがあるのに。
そんな料理に対する歯痒さを日に2度も抱く事が出来ることが幸せであることを忘れたくないと思いながらこの記録を終える。

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