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小嶋陽菜さんから学べることが多すぎ

徳力さんが戸惑うのも無理はありません。

もう、にゃんにゃん(小嶋陽菜さんのAKB時代のあだ名)は、アイドルという枠には留まっていませんからね。

アイドル=偶像ではない「こじはる」

もともと、AKB時代からアイドルというよりも、独自の「こじはる」世界にファンを引き込むタイプだったのが、そのスタイルをアパレル事業として確立してきた感じ。

それだけに、元記事が、インフルエンサーとしてのキャリアという点で話をしているのに、違和感を感じます。

「Her lip to」の立ち上げを考えたのはAKB48を卒業した頃のことです。アイドルとしてやれることをすべてやりきったと感じていて、次に何をしようかと考えていたタイミングでした。そのとき、自分がメディアに「出る」のではなく、自分自身がメディアとなり、自分の好きなものを発信する立場になりたいなと感じたんです。

自分自身がメディアであるということを自覚する強さが小島さんにはあるわけです。インフルエンサーは、伝えるもの=メディアなんですが、彼女は、さらに発信源として作る側に回ったところがすごい。

一番気をつけているのは「自分のやりたいことをアウトプットできる環境を作り続ける」こと。私は何でもリサーチすることが好きなので、トレンドやSNS受けが何かがわかってしまう分、それに影響されそうにもなるのですが、私がやるからには「トレンドよりも私が好きなもの」を極めなければ意味がないし、そこにファンの方は共感してくれているのかなと思います。

そして、彼女を支えているのはこの旺盛な好奇心と知的な学習力。

知性の高さと行動力がずば抜けている

スポニチやテレビでやっている競馬予想でも、実によく血統や成績を調べていますし、ふんわりした見た目に騙されガチですが、彼女の知性の高さが一つ一つの言葉の選び方やジャンルの選び方に表れています。

ところが、進行しているBASEの人が、こじはるというアイドルがインフルエンサーとしてやっているという先入観で会話を進めているから、質問のレベルがだるい記事になっています。こじはるが考えているのは、そんなレベルじゃないのよ、とイライラしてきます。

メーカーさんとの打ち合わせに私一人で行って、めちゃめちゃ驚かれたこともありました(笑)。挑戦していく中で、どういう人たちにサービスを届けるべきなのか、それをどういう資本で、どんなチーム編成がベストなのかを試行錯誤していますが、今後の大きな課題ですね。

これなんて、ベンチャー経営者そのものですもの。

さらに、投稿スタイルに対してもきちんと考えています。

インスタグラムに投稿するうえでの大前提は、フィードを綺麗に見せること。ブランドの公式アカウントをフォローするのは個人アカウントよりもハードルが高いので、ホーム画面を見たときに魅力的だと思ってもらえるように工夫していますね。

ECサイトを運営している企業オーナーで、ここまで考えている人がどのくらいいるのか。確かに、小島社長の真似はなかなかできないと思いがちですが、それはキャラクターの部分であって、考え方の部分は十分真似できると思います。

シェアのハードルを下げること。Her lip toでは洋服を着た人がシェアしやすいようテンプレートを用意し、投稿してくれた方のストーリーを転載しています。いろんな方の着まわしを参考にしてもらうことで、購入へのハードルを下げることに成功したのではないかと思っていますね。

ハードルを下げると売り上げが上がるいうのは、アイドルであっても見上げられる存在ではなく、会いにいける存在ということでハードルを下げたAKBというグループに属していたから気づけたことではないかと思うんですね。

なぜ次はVLOGだったのか

インスタグラムやTwitterで自分の世界観を発信し、アパレルをはじめとした販売につなげてきた小島さんは、去年から動画配信にチャレンジしてVLOGを始めています。

YouTubeチャンネルも、わかりやすくマネタイズやスケーラビリティを目指すのではなく、自分の生活を映し出した「VLOG(ビデオブログ)」の形式を取っているんです。

なぜ、ユーチューバーではなくVLOGなのか。そこにも小島さんの深謀遠慮が見えます。

他の芸能人ユーチューバーとの差別化を図る意図が、彼女の言葉選びにあるわけです。そこには、自分の世界観を押し通す強さと、差別化を目指す強かさが同居しているのに、言葉遣いはどこか軽いまま「こじはる」を通してます。

「YouTuberデビュー? って言われるとまたちょっと感覚違うんだけど、、これはまだおじさんには伝わらないと思うから、また今度話すねーっ」

ここで小島さんが書いている「おじさん=マスコミ」と言ってもいいでしょう。意図が伝わらないだろうことを予測してます。

同じようにVLOGとしてYouTubeデビューしたのが、まつゆう✳︎さんだというのがブログ界隈の人にはわかりやすいかもしれません。

ネタを掲載する場所がYouTubeなのが、ユーチューバーで、動画でブログを配信しているのがVLOGだということなのだと思います。

好きなものに徹底しているからできる

こじはるもまつゆうもライフスタイルを発信して、コミュニティを形成している存在です。そうしたコミュニティの仲間=ファンへの発信と考えれば、そこには自ずからルールができてくるし、世界観は譲れない。そうすると、スタッフにお任せとはいかなくなります。

動画の構成はあらかじめ頭の中にあります。素材を撮り溜めて、編集で答え合わせをしていく。そんな感覚に近いかもしれないですね。

この辺のセンスが、実は他の芸能人との違いだと思います。ステージに出るだけ、グラビアに出るだけではなく、どう見られるか、どう撮られているかを意識してきた人にだけできる脳内世界がある人なんですね。

今は企画構成、撮影までは自分で行い、編集はプロに頼んでいます。と言っても、お任せしちゃうと完成形のイメージがズレてしまうので、真横で編集に立ち会い、「ここで音楽フェイドアウトさせてください」などと意見を言いながら、一緒に作り上げているんです。映像の演出は、AKB48としてたくさんライブに出ていた経験が役に立っているんじゃないかな、と個人的に思います。

ステージに出ているときに、ニャンニャンが、そんなこと考えていたなんて思わなかったよ。ぼーっとしているように見えて、全てが見えていたんだね。

何気ないBGMも好みのものでないものは流さないという姿勢は徹底しています。

フリー素材には好みの物がなかったので、海外のクリエイターがサウンドクラウドにアップしていた音楽をひたすら聴いて、私のSNSアカウントからDMで本人に連絡して使用許可を取っていたんです。
いいなって思うのが1000曲に1曲くらいで、返信が返って来るのは半分くらい。途方もない作業でした。1日中パソコンの前にいたんじゃないですかね(笑)。

ここまでしているから、世界観が統一できるんですね。

後輩への道標としても

そういう世界観へのこだわりは、自分という存在が社会に与える影響への責任感の現れでもあるのだと思います。

先ほどVLOGでの具体的な目標は今はないと言いましたが、発信を通じて後輩の道標になろうという想いはあります。AKB48グループに育ててもらって今の自分がある。卒業生として少なからず現役メンバーに影響を与えているんだろうなという自覚もありますし。

インタビューを読んでいて、なんだかおじさん恥ずかしくなってきました。そんなこと考えてこなかったもの。

徳力さんの記事から小島さんのインタビューを読み始めて、改めて、この方は只者ではないと感じました。

さっしーが、こじはるが理想の上司だというのもわかります。

実に頭がいい人だと思います。


サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。