見出し画像

地球温暖化問題の記事を読んで思い出したこと

さすが専門家の考察。長いけど、読む価値はある。

この方と同じく、国連での少女の演説についてどうこういう気は無くて、私の場合は、さらに、ただの回顧になります。

地球温暖化問題について語るのは、本当に多くの要素が必要で、何かを変えれば変わるというものではないし、目の前の選挙にしか関心がないような政治家にできる問題のようにも思えない。

地球温暖化問題は、地球というだけあって世界中の国々・人々の利害が衝突し、影響が長期的でタイムラグがあり、原因者と被害者が空間的時間的にずれ、これまでの経済発展を駆動してきたエネルギー源の転換を迫り、しかしほとんどの国が一致して行動しなければ解決できません。

科学者と経済人が手を組むしかないと個人的には思っている。

それはさておき。

地球温暖化については、昔、科学系編集者をやっていた頃にアメリカで最初に地球温暖化シミュレーションを開発した日本人科学者にお話を聞いたことがある。

その時驚いたのは、次のような言葉だった(何分にも20年以上前の記憶なので細部は違うかもしれないが)

私がシミュレーションした結果では、地球が温暖化しているかどうかまではわかりませんが、地球上の水分量は一定(宇宙に出て行ってない限り)なので、雨の総量は変わらないんです。これが極端になっていくことは間違いない、乾いているところはより乾き、雨が降っているところにはより雨が降る。つまり災害は起こりやすくなるでしょうね。

まさに、近年起きていることはこの通りだと感じている。

地球シミュレーションについては、ここに観にいって欲しい。

実は、日本はこの地球シミュレーターにかなりの予算と人材を投じてきた。世界で一番の計算機とかいう話とは別の日本のコンピュータ業界を支えてきた存在。

もう第3世代なんだね。

こういう基礎科学を支える施設の維持が、実は大変難しくなっているのが、今の競争的資金中心の科学予算の問題だと思うけど、その話はまた別の機会に。

さて、地球温暖化がなぜ問題なのか。

その前に、地球温暖化が何を指していて、なぜ問題か、説明できますか?

意外に、ちゃんと説明できる大人って少ない。ぼーっと生きてるからね。

地球温暖化とは、地球全球の気温・水温が上がっていくことを示す。

温暖化効果ガスによって太陽光エネルギーが吸収され、太陽光が反射などで地球の外に出ていく量が少なくなり、地球に留まるため温められる。温められないと地球は月のように表面温度がマイナスになって、今いる生物は暮らしにくい。特に人間にとっては、快適な温度ではなくなる。

これが問題なわけです。

人間にとって快適ではなくなることが問題。

これまで地球の歴史の中で、全球が凍るような氷河期もあれば今よりももっと二酸化炭素濃度も温度も高い時期もあったわけで、地球にとっては何度でも良いわけ。その中で、人類は、偶然にもちょうど良い温度の地球に遭遇している(というか、この温度の時代だから繁栄しているとも言える)だけで、幸運なのを良いことに経済活動を進めている。

つまり地球のため、環境問題があるわけではなくて、あくまで人間の問題。

観察データを無視して、実は氷河期に向かっているから地球温暖化など問題ではない、とかいう元科学者もいるけど、実際に地道にデータを取っている人がいて、それを元にシミュレーションをしている人がいて、その人たちが示すデータがあるわけで、それを元に議論すべき事柄だと考える。

こういうサイトもあるところがウィキペディアの優れたところ。

両論併記は大事。

それと、国連で環境問題を議論する会議に政治家が出席することは必要かもしれないけど、政治家には地球温暖化をどう防ぐか以上に、目の前の災害への対応、防災への備え、といった国内政治でやるべきことをきちんとやってほしいと思う。地球温暖化対応はクールでもセクシーでもいいけど、防災とか災害対応は、クールやセクシーではいられない。ホットでパッショネートじゃないとできないんじゃないですかね。

そのために、科学の力を借りて、地球シミュレーションのデータから予測される未来に応じた手を事前に打つことが求められる。それには、1000年に一度の津波とか、100年に一度の台風とか、過去に例を見ない短時間での集中豪雨なども視野に入れる必要が出てくる。

想定外を連発する政治家や経済人や役人は、それが言い訳になる言葉ではなく、自分の想像力と理解力の低さを露呈させている恥ずかしい行為であることを自認してもらいたい。

冒頭で書いた想い出話のように、科学者は、すでに地球上の水資源の偏りを予測していた。それに対応する手を打っていなかったのは、政治であり経済の問題ではないのだろうか。

シミュレーションを仮説であると軽んじ、自分の生きているうちに起きることだと認識せず先延ばしをしているような想定でぼーっとしている政治家や役人のなんと多いことでしょうか。

でも、チコちゃんに限らず、多くの人は気がついているのです。

地球温暖化が問題なのは、人間に未来がなくなるから〜〜なことを。

地球を未来に残すために、日本を未来に残すために、その自治体を未来に残すために、今、何を前提に知恵を絞らないといけないのかを考える大人がどれくらいいるのか。そこに地球温暖化がなぜ問題かの鍵があるのではないか、と思う今日この頃です。


サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。