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G7サミットで見えた、今後のコロナウイルスとの付き合い方

多分、転機は、G7サミットだったと後の世で言われるだろうなと思うんですよ。

サミットで示した各国首脳のマスク無しトーク

台湾の明記とかワクチンの提供とか共同宣言の記事ばかりでしたが、大事なのは、サミットがオンラインではなかったことではないかと思います。

我々G7の首脳は、2021年6月11~13日、英国コーンウォールで集い、新型コロナウイルスに打ち勝ち、より良い回復を図ることを決意した。

このサミットは、久しぶりに各国首脳が対面して行う会議だったわけです。

初対面のバイデン米大統領とフランスのマクロン大統領がどちらからともなく互いに背中に手を回して親しげに話し始めた。その後もマスクなしで向き合いながら立ち話をした。

バイデンさんの外交とか、菅さんがポッチだったとかいうことはどうでもよくて、彼らがマスクなしで会談していることが世界にとって重要です。

これとは別にマクロン氏やメルケル独首相ら欧州首脳がジョンソン英首相抜きでテーブルを囲み、打ち合わせをする一幕もあった。サミットで首脳が座った円卓にも仕切りに使うアクリル板が設置されていない。

彼らはもう、マスクも仕切りもいらないという世界を体現しています。これは、各国庶民へのアピールに他なりません。

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エリザベス女王と話をする各国首脳もマスク無しです。ワクチンを打っているとはいえ、100歳近いおばあさんともマスクなしで話をする状況を世界に発信しているわけですね。

国際的な交流がマスクなしで可能になったことを各国首脳が体現しているわけですから、感染者数が各国よりも少ない日本でオリンピックが開催できないと、言うわけはないのです。

我々は、そうする中で、より良い回復を確実なものにするため特にG20サミット、COP26、CBD15及び国連総会において他の国々と合流するのを楽しみにし、また、新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催することに対する我々の支持を改めて表明する。

コロナ禍の中で国際会議は可能だったのか

サミットに恒例の抗議活動は例年よりも目立たない。新型コロナに加え、米大統領が何かと物議を醸したトランプ氏からバイデン氏に交代したことも影響した可能性がある。

コロナウイルス感染を恐れて抗議行動などの大規模活動も難しいわけですが、そんなサミットの開催で、彼らの周辺にいる多くのスタッフも含めて、本当に安全・安心だったんでしょうか?

G7サミット(主要7カ国首脳会議)が開催された英・コーンウォール地方で、サミット開催後、新型コロナウイルスの感染者が急増していると、地元紙「i(アイ)」などが報じた。

人が集まれば感染リスクは上がります。ましては各国から集まれば、そこにあるウイルスの変異は異なる可能性も高く、別の国の変異ウイルスに感染するリスクは、ワクチンで免疫ができていたとしても自国内よりは高いわけです。

英スカイニューズは10日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)のドイツ政府代表団が使用していた英コーンウォールのホテルの従業員数人が新型コロナウイルスに陽性反応を示し、このホテルが閉鎖されたと報じた。
報道によると、サミット開催のために、首脳や政府団、メディアらが各国から訪れただけでなく、5500人の警官がイギリス全土から駆り出されて警備にあたるなど、現地では一時的な「人口増」が発生していたとのこと。

これをオリンピック期間中の東京の状況に置き換えればどうなるか。人流とやらは、強まるばかりではないかと思うのですが、そこはなんとかなるのでしょうか?

サミット開催地での急激なコロナ感染増に、英BBC放送は、「Too early for G7-related cases」(G7と結びつけるのは時期尚早だ)とする専門記者の分析を掲載していますが、英国が発表している地域毎の新型コロナ陽性数を比較しても、コーンウォール地区での「surge」(急増)は群を抜いているようです。

いつも発生時にはtoo earlyというわけで、それが確定した頃には収まっているか、とんでもなく拡大しているかどちらかです。最初に武漢で感染症の流行を訴えたお医者さんはどういう目にあったかを思い出してみたいところです。

G7後の世界はワクチン接種&マスクレス

しかし、G7を開催し、各国首脳はマスクレスでも会談できる状況を容認したわけですから、世界は、ここからマスクレス世界に進んでいくだろうと思います。すでに、アメリカではワクチン接種者はマスクなしを発表しています。

米疾病対策センター(CDC)は13日、新型コロナウイルスワクチンの接種を完了すれば、屋内外を問わず、マスクを着用しなくてもいいとする新たな指針を発表した。ただし、バスや飛行機、病院など混雑した屋内では引き続きマスク着用が求められる。ジョー・バイデン大統領は「アメリカにとって素晴らしい日」だとたたえた。

CDCの勧告は、コロナウイルスに関しては、間違いも多かったので、この指針もどうかとは思いますが、こう言う方向にいち早く進んだアメリカの姿を見せることが大事なわけです。

アメリカは、トランプ政権下でコロナ対策に失敗し感染者が世界で最も多い国という汚名をきました。バイデン政権は、それを逆手に取り、ワクチン接種をスピードアップして、世界で最初(イスラエルがあるので本当に最初ではないけど大国で最初)にコロナから解き放たれた国と言う姿をアピールすることに躍起なのだろうと思います。

実際には、アメリカの感染者数は、まだまだ日本より上です。

年末から年明けにかけては米国の1日当たりの新規感染が20万人を超えていたが、直近では1万人前後で推移。20日新規感染は5000人を割り込んだ。

それでも、大リーグは観客の人数制限を撤廃し、イベント開催も始まっています。ヨーロッパでもサッカーのヨーロッパリーグが行われています。でも開催反対の声は上がりません。入場制限はありますが観客を入れています。

ベースには、日本との根本的に大きな違いがある。ワクチンの接種率だ。ロンドンの接種率は人口の8割近くに上り、数度のロックダウンを経た英国の首都は、さまざまな制限が取り除かれるようになっている。かつては危機的な状況にあったが、ワクチン接種の拡大で「新型コロナの観戦拡大は懸念ではあるけれど、入院率と死亡率は依然として低い。そういうわけで、すべてをストップさせるというのはクレイジーだと感じる」というのがクラークさんの考えだ。

ワクチン接種によって入院率と死亡率が下がれば、感染者数はある程度あっても、イベントも開催するし、マスクレスにもなっていく。そう言うことなのでしょう。

ワクチン接種を加速させた東京五輪

では東京五輪はどうなのか。

「菅首相がG7でオリパラ開催の確認をしたが、感染者数が英、米、独、仏より少ない日本が、やりませんと言ったら皆ひっくり返って驚くだろう。国内の風潮がいかにガラパゴスであるか、一色に染まってしまう空気に失望感を禁じ得ない。いずれにしろワクチンの年齢制限を早く撤廃してもらいたい」(猪瀬氏の公式ツイッターより)
まさに同意としかいいようがない。それだけ今の東京オリンピック・パラリンピックをめぐる報道は、開催批判ありきに偏っている。

オリンピックを誘致した時の東京都知事だった猪瀬さんも、田中秀臣さんも各国と比較した状況の中で、日本がオリンピック中止を言い出すには無理があると判断しているようです。

感染者数や死亡者数を見れば、G7各国の中で格段に低い日本で、各国並みの対策をとれば、オリンピックが開催できない理由が見当たらないと言うのが、ヨーロッパの人が多いIOCの理解でもあるでしょう。

では、なぜワクチン接種が遅く、医療に皺寄せがいくのか。飲食店に要請ばかりしているのか。

そこにリーダーの覚悟の差が現れているように思います。

コロナ対策でも経済を優先して感染者の拡大を生んだ菅政権ですが、経済を考えるならば、ワクチン接種が何よりの対策であることは各国が示しています。

だからこそ、精神主義で11月末までに全員にワクチン接種などと言い出しているのでしょう。

6月9日の時点ではエビデンスに基づいた話ではなかったようですが、こうして目標を示したことで、現場は奮闘するわけですね。

菅総理大臣が掲げた10月から11月にかけて、希望するすべての人への接種を終えるとする目標について「おそらく実現できるのではないかと思う」と述べ、達成は可能だという認識を示しました。

だったら、ワクチン接種した人は、8時以降も飲んでいいとか、飲食店の救済とワクチン接種をセットにした政策もお願いしたいものです。

いずれにしても、日本でワクチン接種が急速に進んだのは、なんだかんだ言っても東京五輪があったからではないかと思います。

これで五輪という政治課題がなければ、厚労省の認可が遅れたり、自治体の対策が整わないままだったり、ズルズルと突破できずにいたのではないかと推測できます。

外圧なければ何も変わらないのが気になりますが、とにかくワクチン接種して、マスクレスな秋を迎えられるようになりたいものです。



サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。