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コロナウイルスは弱いところを責める:再び

ちょうど1年前に書いた記事で、ハンマー&ダンスのことを書いていた。

これから、制約の多い日常生活という、ウイルスとのソーシャルダンスが、まだまだ続くのではないでしょうか。

一年経っても続いているとは、このときは思わなかったけれど。

行政のITを攻めるコロナウイルス

さらに、その後、こんなことも書いていた。

で、それ以上に、その国の治安とか統治とか為政者とか、弱いところに強く影響が出ることもわかってきたのではないでしょうか。

そして、いま、この国の行政のITの弱さが、ワクチン予約に表れている。

 防衛省ホームページに掲載されている予約システムの最下部にはシステムの運営会社として「マーソ株式会社」(Copyright © MRSO Inc. ALL RIGHTS RESERVED.)と記されていた。同社の経営顧問には菅首相の盟友、竹中平蔵氏が名を連ねていた。

1年前に、ファックスでのコロナ患者集計とか、手書きのマイナンバーでミスが相次ぐとか書いているのだけど、デジタル庁発足とか言っている中で、全く変わったようには見えないのは、なぜなんでしょう。

水際対策も穴だらけ

そして、肝心の水際対策も穴だらけなんですって。

 帰国する飛行機の出発前72時間以内のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)検査の陰性結果に加え、ワクチン接種の証明書を携えての帰国。到着した成田国際空港での唾液による検査でも陰性と出た。それでも日本への渡航者全員には到着翌日から14日間の自主隔離が求められる。
 帰国者側からすると「検査をしていない日本在住者に比べてむしろ安全なのでは?」と感じるのも本音。だが一方で、東京五輪・パラリンピックを約2カ月後に控える日本政府の意気込みも感じられ、当然ながらすべての要請に従う前提で帰国を決断した。
 ところが成田到着直後から筆者に突きつけられたのは「穴だらけの水際対策」という現実だった。

やることは多いのに、その先が機能していないというお役所仕事。

 縦割りの弊害──。新型コロナという人の命を脅かす恐ろしいウイルスの水際対策でも、日本でありがちなこの弊害が再び顔を出した。

結局、この国の行政は、何も変わっていないし、変えられていない。そこをコロナに突かれているにも関わらず。

世界に遅れをとる日本

このままジリ貧の三等国で居続けるのだろうか。

ワクチンツアーが今後さらに広がるかどうかは、各国の水際対策も関係する。ワクチン接種などを条件に帰国後の隔離が必要ない場合、ワクチンツアーに参加しやすい。
一方で、日本などワクチン接種の有無にかかわらず隔離が必要な国は帰国後の行動が制限されるため、二の足を踏む人も多い。東京都の会社員(40)はワクチン接種目的での渡米を検討したものの、帰国後の隔離期間や政府が定める形式に基づいたコロナの陰性証明書を現地で取得することなどがネックになり断念したという。

日本からツアーに行く人も出ていると聞くけども、その先の問題があまりにも大きいため、増えては居ないようだ。

本当に日本で五輪が開催できるかどうかは、やる気ではなく、さまざまなシステムが想定通りに稼働するかどうかにかかっているのではないだろうか。その点が既に綻びていることに、政府もIOCもオリンピック委員会も気付いていないどころか、日本ならばできると信じている。それが最も危ういように思う。

各国が代表団を送りたくない、国の中ではみんなが手伝いたくない、そういう五輪は開催できるでしょうか。

こう書いたけれど、実情はもっと深刻で、まともに仕組みが動かないのではないかと懸念します。

既に日本の仕組みは劣化している

テスト大会でもその辺りの問題は見て取れます。

組織委の担当者は、更衣室が使用できなかった理由を「テスト大会ということで、規模が小さいので今回は設置しなかった。本番は規模が大きくなるので設置される」と説明。トイレなどの増設については「今後、新しく設置するのは難しい。さまざまな意見があれば、集約して、どういうことができるのか検討していきたい」とした。

なんのためのテスト大会なのかわかっていないのだろうか? 本番と同様にしなければテストでもなんでもないでしょう、それ。

想定のレベルが低過ぎませんか?

不十分な想定、間違った想定、想像力の欠如した想定をした人が、想定外だから責任はない、というのは、許されることなのだろうかと思うのです。

起きるはずの最悪の事態とか、最低限の状況とか、想定のレベルが準備のレベルを決めるんじゃないでしょうか。

想定する力が足りないトップを持った組織は、その想定の外から崩れていきます。脆弱な組織と忖度ばかりの意思決定プロセス、さらに外部意見を取り入れる勇気がない及び腰の施策の繰り返し、そして撤退の余地がない精神論の横行。

結局、最後は精神論になるのは、トップの想定力の不足だと思うんです。

竹槍じゃなくて薙刀なんですけどね。

この広告で指摘したかった、政治の力が足りてないと、しわ寄せが国民に向かうのだ、ということは理解できますが、この広告自体が想定が足りてない気もします。

 研究を主導した西條重樹教授は「竹やりでウイルスと戦おうとしているのは、世界中どこを見渡しても日本しかない。これは誇るべきことだ」と自賛する。また、このアプローチを応用して、太陽を撃墜する「マクロ竹やり」にも取り組む予定だ。「猛暑になりそうな今夏までに完成させたい」と、西條教授は意気込む。

虚報新聞がやりにくい時代だと思うのは、想定もしない「事実」が起きるからでしょう。その意味でコロナ禍で虚構新聞も辛くなっています。

弱いところを突くのがコロナウイルスなんだなと改めて思う次第です。

サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。