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Wi-Fiの物理


こんにちは、ヒラタです。久々更新です。
今回は情報通信の話をします。


はじめに



現代人たる我々にとってWi-Fiは生活必需品です。一度つなげればスマホの通信容量は減りませんし、SNSもYouTubeも見放題です。

Wi-Fi = 無線LAN



スマホやPC、タブレットなどの通信端末はいずれも電波を介して情報のやりとりを行なっています。これは以下のプロセスの組み合わせです。

 1. 電波の送受信
 2. 電波への情報書き込み
 3. ネットワーク上の伝達


これらのプロセスは実際にはどのように進んでいるのでしょうか。Wi-Fiの物理を調べてみましょう。



1. 電波の送受信


Wi-Fiルーターやスマホ、PCの中には小さなアンテナ回路が入っています。

左右の境界は固定端条件



試しに、この回路に交流電圧をかけてみましょう。


電気双極子の単振動とみなせる



電場(青)のリングが出てきました。引き続き観察してみます。

実は磁場の輪もある



リングが組み合わさって電圧周波数に対応した電波になりました。
逆に、電波がアンテナ回路に当たると対応した電気信号が取得できます。


時間反転ver.



このように、アンテナ回路は電気信号と電波の変換を行います。ケーブルをつなげなくても離れた相手に信号を送れるわけです。

Bluetoothは10mくらい届く




2. 電波への情報書き込み



電波の送受信をマスターしたので、次は伝えたい情報を電波に書き込んでみましょう。

電波のどの要素を01ビットに対応させる?



最もシンプルなのが、振幅(Amplitude)とビットを対応させる手法です。電波が減衰しにくい代わりに、ノイズが結構入ります。

AM通信(=Amplitude Modulation)



一方、周波数(Frequency)を変調させることで特定のノイズの影響を消す手法も考えられます。

FM通信(=Frequency Modulation)



現代では、これらの要素に加えて信号位相(Phase)も時間的に変調させて情報の書き込みを行っています。フーリエ変換大活躍です。




3. ネットワーク上の伝達


最後に、WiFiルーターに送られた情報がどこに行くのかを見てみましょう。
例として、YouTubeの動画にコメントしてみます。



このコメントは電波に変換されて近くのWiFiルーターに読み取られ、さらに付近の基地局まで電波が送られます。

基地局は国内に数十万カ所



基地局間は光ファイバーの激長ケーブルでつなげられており、ほぼラグ無しの通信が可能です。

光の速さで伝わるコメント



最終的に、YouTubeの動画が貯蓄されているデータセンターまで届き、データの編集作業が行われます。


データセンターは世界中に数百カ所



その後、電波が来た道を戻ると編集後のコメ欄が見られます。


1秒もかからないだと…



おわりに


いかがだったでしょうか。このように、普段使っているWi-Fiには様々な技術が応用されています。


一度その仕組みを理解すれば、使用用途も広がりますし、5Gや6Gをむやみに恐がりもしなくなるはずです。


Wi-Fi以外にも、動作原理が良く分からない技術があったら、調べてみると結構楽しいのでオススメです。




それでは良い春休みを。


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