[読むカバー漫才] 関東芸人本格派掛け合いしゃべくり漫才師がかまいたちの名作漫才「タイムマシンがあったら」をカバーしたら…
#オチを予想してお楽しみください (9文字)
しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる
●漫才における「相槌」はそのときの雰囲気で自然に入れるものなので通常漫才台本には書きませんが,本格的な掛け合いのしゃべくり漫才をイメージできるようあえて細かい「相槌」を書き込んでいます。それが「読む漫才」です。
●台本にはAとBが登場しますが,自分はAを演じるつもりで,Bは相方が言っているイメージで読む(逆も可)と,掛け合い漫才感を味わえます。
掛け合い漫才のコツ
❶二人だけでしゃべるのではなくお客さんにも話しかける
➋片方がしゃべり続けるのではなく適度に入れ替わる
➌相方がしゃべっているときは相槌を入れる
A:もしもタイムマシンがあったとしてね
B:はいはい
A:過去に戻って1つだけやり直せるとしたら
B:ほうほう
A:何をやりたいですか?
B:なんでしょうね〜
A:1つだけですからね
B:「1つだけ」っていうなら
A:なんですか?
B:ポイントカードを作りますね
A:ポイントカード?
B:コンビニの
A:どういうことですか?
B:最近はコンビニで買い物すると
A:はいはい
B:ポイントが貯まるらしいんですよ!
A:知ってますよ
B:知ってんの!?
A:僕も貯めてますから
B:じゃあ分かるでしょ
A:いやいや
B:なんですか?
A:タイムマシンで過去に戻ってね
B:はいはい
A:ポイントカードを作りたいという
B:うん
A:あなたの気持ちが分からないんですよ
B:僕の気持ちが?
A:分からないですよねぇ
B:分かりますよねぇ
A:みんな分かってないと思いますよ
B:みなさん経験したことないんですかね?
A:何をですか?
B:「ポイントカード作りますか」と一番最初に聞かれた日
A:はいはい
B:僕にはあるんですけどね
A:みんなあるだろ
B:あるんですか!?
A:その日を経てポイントカード作ってますからみなさん
B:あの日のこと覚えてます?
A:あの日のこと?
B:「ポイントカード作りますか」と一番最初に聞かれた日のことですよ
A:覚えてないでしょ
B:覚えてないんですか!?
A:そんな記念すべき日じゃないですからね
B:僕はあの日
A:あの日?
B:なんとなく断ってしまいまして
A:最初に断ることはよくありますけどね
B:それから毎回
A:毎回?
B:「ポイントカード作りますか」って聞かれるんですけど
A:コンビニに行くたびにね
B:今作ったら
A:はいはい
B:「今までのポイント損した気分になる」っていう変な意地を張ってしまって
A:ほうほう
B:いまだにポイントカード作れてないんですよ
A:その気持ちはなんとなく分かりますよ
B:分かります?
A:思い切って作るしかないんですけどね
B:このままだと
A:はいはい
B:一生ポイントカード作れないじゃないですか
A:だから「作れる」って言ってるじゃないですか
B:だから
A:だから?
B:「作りますか」と最初に聞かれたあの日に戻って
A:戻って?
B:「はい!作ります!」って言いたい
A:いやいやいや
B:なんですか?
A:もったいないでしょ
B:ポイントがでしょ?
A:そっちじゃないよ
B:何がもったいないんですか?
A:タイムマシンの使い方だよ
B:タイムマシンの使い方?
A:タイムマシンを使えるたった一度のチャンスなんですよ
B:だからポイントカードを…
A:そんなことに使うなよ
B:ポイントがもったいで…
A:もっと有意義な使い方があるでしょ
B:あります?
A:僕はね
B:なんですか?
A:学生時代好きだった子に
B:学生時代?
A:告白したいですね
B:そっちほうがもったいないですよねぇ
A:なんでですか
B:「告白したい」なんてたまにしか思わないでしょ?
A:まぁ何年かに1回とかですかねぇ
B:「ポイントカード作ってたらな〜」って
A:え?
B:レジに行くたびに思いますからね
A:そりゃそうだろうね
B:だからタイムマシンで戻って…
A:戻らなくても今すぐカード作ればすむ話だから
B:え?
A:それですべて解決しますから
B:今さらどの面下げて「作ります」なんて言えるんですか
A:その顔で作りに行けばいいんですよ
B:僕はね
A:なんですか?
B:10年以上も弁当を2つレジに持って行って
A:弁当?
B:こっちはチンして
A:チン?
B:こっちは捨ててくださいって
A:捨ててください!?
B:言ってるお客さんみたいなものですからね
A:……
B:今分かりにくく説明したんですけどね
A:なんでそんなことすんの!?
B:「なんで」って
A:分かりやすく説明するのが「例え」だからね
B:急に「今日はこっちの弁当も捨てません」なんて言ったら
A:え?
B:店員さんに変な目で見られるでしょ
A:その変な例えもういいから
B:「変な」って言うなよ
A:今カード作らないと
B:なんですか?
A:今後のポイントがもったいないでしょ
B:もったいないのはあなたのほうですって
A:なんでだよ
B:告白して失敗したら
A:失敗?
B:何も残らないでしょ
A:「残る」ってなんですか?
B:僕にはポイントカードが残りますから
A:そういうこと?
B:そういうことですよ
A:でも当時の感触からすると
B:感触?
A:告白してたら確実に成功してましたね
B:それは絶対ないですね
A:なんで決めつけるんだよ
B:確実に成功するんだったら
A:なんですか?
B:当時告白してたでしょ?
A:え?
B:確実じゃないから告白しなかったんでしょ?
A:それはあの〜
B:なんですか?
A:まぁいろいろあるじゃないですか
B:ふられる可能性が高いのにタイムマシンを使うのはもったいないですよねぇ
A:「確実に成功する」って言ってるじゃないですか
B:世の中に「確実」なんてないですからね
A:それなら過去に戻ったからといって
B:なんですか?
A:確実にポイントカードを作れるとは限らないでしょ
B:確実に作れるでしょ
A:作れるんですか!?
B:向こうが「作りませんか?」って言ってるんだから
A:「世の中に『確実』なんてない」って言ったじゃな…
B:それに告白成功したら未来が変わって
A:未来?
B:今出会ってる人と出会えなくなる可能性がありますからね
A:それならポイントカード作った影響で未来が変わって
B:ポイントカードで?
A:出会えなくなる人がいるかもしれないじゃないですか
B:そんなやついないでしょ
A:いないんですか!?
B:さっきから反論がおかしいんですよ
A:おかしくないですよ
B:ズレてますからね
A:ズレてるのはあなたのほうでしょ?
B:僕が?
A:「もしも過去に戻れたらポイントカード作る」とか
B:いいじゃないですか別に
A:「もし告白できても失敗する」とか
B:失敗はしますけどね
A:「もしも」の話ばっかりして
B:なんですか?
A:現実からズレてるんですよ
B:「もしもタイムマシンがあったら」って言い出したのはあなたでしょ
A:僕が言い出したんですか?
B:漫才始まっていきなり言い出したでしょ
A:それなら現実的な話をしますよ
B:現実的な話?
A:今すぐコンビニに行って
B:コンビニ?
A:ポイントカードを作りなさい!
B:いやだからそれは…
A:それでたくさんポイントを貯めて
B:たくさん?
A:過去にポイントカードを作っていたであろうあなたが貯めていたであろうポイントに追いついたらいいんですよ
B:追いつけないでしょ
A:めちゃくちゃ買い物すれば追いつけますよ
B:今の僕が買い物して貯めたポイントは
A:え?
B:過去にポイントカードを作っていたであろう僕のカードのポイントにも加算されるわけだから
A:加算?
B:今の僕がめちゃくちゃ買い物してポイント増やしても
A:うん
B:その分過去にポイントカードを作っていたであろう僕のポイントも増えるんだから一生追いつけないんですよ
A:「過去にポイントカードを作っていたであろうあなた」なんて現実には存在してないんだから
B:え?
A:今のあなたがめちゃくちゃ買い物してポイント増やしても
B:うん
A:その分過去にポイントカードを作っていたであろうあなたのポイントが増えたりはしないから大丈夫ですよ
B:何を言ってるんですか?
A:とにかく
B:なんですか?
A:今すぐポイントカードを作りにコンビニに行きなさい!
B:だからそれは…
A:僕が言いたいのはそれだけですよ
B:それだけ!?
A:それだけです
B:散々「ああでもないこうでもない」って言っておきながら?
A:なんですか?
B:今日言いたのはそれだけ?
A:今はもうそれだけです
B:今はもう?
A:お客さんもみ〜んなそう思ってますからね
B:お客さんもみんな!?
A:「さっさとポイントカード作れ!」ってみんな思ってますよねぇ
B:だったらこれまでの議論はなんだったんですか
A:何が?
B:もったいない
A:もったいない?
B:時間がですよ
A:「時間がもったいない」って言われても
B:何分この話してると思ってるんですか
A:散々議論したあげくそういう結論に至ったんだからしょうがないでしょ
B:しょうがない!?
A:「話し合い」とはそういうもんですからね
B:ほんと時間の無駄だった
A:そんなこと言われてもさぁ
B:「もしも」の話ばっかりさせられて
A:「させられて」って
B:あなたが「もしもタイムマシンがあったら」とか言い出したからですよ
A:え?
B:時間泥棒ですよあなたは
A:時間泥棒?
B:どうしてくれるんですか?
A:分かりましたよ
B:え?
A:返せばいいんでしょ返せば
B:何を?
A:時間をですよ
B:時間を!?
A:耳をそろえて返しますから
B:時間をですよ
A:返しますよ
B:どうやって?
A:今からタイムマシンに乗って
B:タイムマシン?
A:4分前に戻って違うネタをやり始めますから
B:違うネタを?
A:そしたら「もしも」の話しなくてすむでしょ?
B:それならあの日に戻って
A:戻って?
B:◯◯◯◯◯◯◯◯◯わ
A:それがいい
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あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】