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[読む漫才] カウンターしかない国(当て書き:ギャロップ)

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#オチを予想してお楽しみください (9文字)

しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる
●漫才における「相槌」はそのときの雰囲気で自然に入れるものなので通常漫才台本には書きませんが,本格的な掛け合いのしゃべくり漫才をイメージできるようあえて細かい「相槌」を書き込んでいます。それが「読む漫才」です。

林:この間ね
毛利:はいはい
林:ファミレスに行ったんですけれども
毛:ファミリーで
林:一人でや
毛:一人むなしく?
林:むなしくないわ
毛:一人寂しく
林:ファミレスはもはやファミリーで行くレストランではないからね
毛:ファミリーでも行くやろ
林:一人寂しく行きまして
毛:やっぱり寂しかったんかいな
林:寂しさを紛らすために訪れる場所
毛:え?
林:それがファミレスや
毛:そんな場所ちゃうやろ
林:そんな場所にこの間間違えてね
毛:間違えて?
林:ファミリーが入ってきてしまいまして
毛:ええやん別に。全然間違えてないですよ
林:しかも親子3人でですよ
毛:まっとうな家族やないか
林:ところがや
毛:なんですか?
林:「場違いなところに来てもうたな」と気づいたんでしょうね
毛:場違い?
林:6人座れるボックス席の片側に
毛:ほうほう
林:3人で横一列に座り出しましてね
毛:ボックス席の片側だけに?
林:はいはい
毛:3人で横一列に⁉︎
林:そうやねん
毛:反対側には誰も座ってないってことやろ?
林:フォーメーションおかしいやろ?
毛:それはおかしいなぁ
林:そやろ?
毛:それを「フォーメーション」と呼ぶのかどうかは分からんけど
林:場違いな場所に家族で来てもうて
毛:「場違い」ちゃうて
林:気まずかったんちゃう?
毛:そこにもうひと親子来ることになってたんじゃないですか?
林:俺もそう思うたんやけど
毛:思いますよねぇ
林:待てど暮らせどだ〜れも来ない
毛:ほうほう
林:3人横一列のフォーメーションのまま食べ続けてましたよ
毛:ほんならそれはあれやな
林:何?
毛:カウンターと間違えたん違うかな〜
林:カウンターと間違えた⁉︎
毛:ボックス席をカウンターと
林:そんな家族います?
毛:カウンターしかない国から来たという可能性もありますからね
林:カウンターしかない国⁉︎
毛:それなら当然横一列に座りますよね〜
林:そんな国ある?
毛:横一列のフォーメーションしか知らないですからね
林:どんだけ狭い国やねん
毛:何が?
林:国土がや
毛:国土?
林:国土が狭いから
毛:うん
林:どの店の店内も狭くて
毛:はぁはぁ
林:どの店もカウンターしかないってことやろ?
毛:国の諸事情知らんけど
林:それしかないやん
毛:何が?
林:
ボックス席作れない事情なんて
毛:親切に教えてあげたん?
林:何を?
毛:「日本には向かい合って座るフォーメーションもあるんですよ」と
林:だってその家族がね
毛:はいはい
林:カウンターしかない国から来たなんて気づかなかったからね
毛:見分けにくいですからね〜
林:というか
毛:なんですか?
林:カウンターしかない国なんてあんの?
毛:あるやろ
林:どこの国やねん
毛:ベネズエラなんてそうですよね〜
林:ベネズエラ⁉︎
毛:南米に「ベネズエラ」という国がありましてね
林:ベネズエラってカウンターしかないの?
毛:6人座れるボックス席の片側に3人で横一列に座っていたその家族?
林:うん
毛:おそらくベネズエラ人だと思いますよ
林:なんでそんなこと分かんねん
毛:日本にいるベネズエラ人は限らてますからね
林:お前なんでベネズエラ人の情報把握してんねん
毛:お父さんは日本で頑張って
林:お父さん?
毛:監督にまでのぼりつめた人でしょ
林:監督?
毛:そうですよ
林:ベネズエラ人の?
毛:みなさんもたぶん名前は聞いたことあると思いますけど
林:さっきからなんの話をしてんねん
毛:横浜ベイスターズの監督の
林:野球の話?
毛:◯◯◯◯の話ですよねぇ
林:◯⚪︎◯◯◯の話や。もうええわ

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あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】