ニコス・カザンザキスの『キリストはふたたび十字架に』を読んでいて思いついたことなど
現代ギリシャの作家にニコス・カザンザキスという作家がいる。この作家は映画化された『その男、ゾルバ』の原作者でも有名な作家であり、1883年、トルコの支配下にあったクレタ島イラクリオンに生まれ、アテネ大学法学部を卒業後、1906年に小説『蛇と百合』で小説家としてのスタートを切る。小説や戯曲の執筆とともに、哲学書の翻訳を手掛け、1912年には志願兵としてバルカン戦争に従軍、炭鉱開発やヴェ二ゼロス政権のコーカサス・ギリシャ人帰還事業、戦後はソフリス政権の無任所大臣やユネスコの文学部門のアドバイザーを務めるなどした。1957年、ドイツのフライブルグで没。墓碑銘には「私は何も恐れない、何も望まない、私は自由だ」と刻まれて眠る。
私はこの本を読んでいる途中で村でキリスト教の聖典である新約聖書の福音書の演劇をやるときに、トルコから難民がやってきてひと波乱おきるところまで読了した。この本は現代ギリシャ語で書かれており、福田千津子先生が翻訳にたずさわっている。また、私は現代ギリシア語の対訳本も持っており現代ギリシア語の本文を筆写することによって現代ギリシャ語を学ば差せてもらっている。私のお世話になっている友人でニコス・カザンザキスの専門家がおり、この作品の映画を字幕つきで上映する予定があるらしい。私は静岡に住んでいて東京と京都で上映するらしいのだがいけるかどうかわからない。ギリシャ語は一筋なわにはいかないのでおもしろいが難しい。新約聖書ギリシア語(コイネーギリシア語)とプラトンが書いてあるアッティカ方言のギリシア語と現代ギリシア語が点在しているので辞書を引くにもとても厄介な問題にぶちあたる。それでもゲーテいわく「手は記憶する」をしんじて今日もギリシア語を書き写している。
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