塾の先生の口臭

どうも、藤沢です。

皆さんは好きな臭いってありますか?

僕は「中学二年生の時に通っていてた塾の先生の口臭」です。

本当に名状しがたい匂いなんですが、強いていうのならば

「クリームシチューの匂い」

なんですよね。

その匂いの正体は先生が使っていた口臭スプレーの匂いだとは思うんですが、どこかジューシーさを覚えるんですよ。

そのおいしそうなクリームシチューの匂いが僕は大好きでした。

中学二年生のテストで5教科109点という最悪な点数を取ってしまい、お母さんに泣きこんで入れてもらった塾。

そこで出会った目がクリクリで身長が当時の僕の膝下ぐらいの先生はとても教えるのが上手でした。

気が付けば学校の平均くらいの点数になっており、とても感謝しました。

いつからかその先生のことを母として接していたと思います。

そして別れは来ました。

志望校に無事合格できた僕はクリームシチューの妖精に別れを告げます。

ありがとう、そしてさようなら…


…………


あれから6年がたった。

僕は歯周病になってしまいました。

むずむずがやばかったので、歯医者に行き治療してもらいます。

医者が言うには

「歯間ブラシを毎日してみよう!」

というので歯間ブラシをすることにしてみます。

すっごい量の血が出たんですが、血が出ることはいいことだそうなので続けます。

終わった後はメンヘラリスカ女子が泣く量の血が出たんですが、まあ治るならなんだってします。

そしてうがいをして、歯間ブラシを捨てるときにふと、嫌な考えをしてしまいます。

「匂ったらくっせーのかな?」

気になってちょっとだけ嗅いでみました。

「…!!?!?!?!?!!」

気が付くと目の前はお花畑。

僕の周りには妖精たちが飛んでいます。

そしてその妖精たちを僕は知っていました。

クリームシチューの妖精です。

そうです。

クリームシチューの匂いは歯周病の匂いでした。

ということは僕に授業を教えてくれていた先生の口臭は、ただの歯周病の香りでした。

僕の青春ともいえる思い出は、まるで放置したクリームシチューのように冷めてしまったのでした。


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