ミスiD2022

ミスiDが桃源郷かというと全くそんなことはなく、マイノリティの人がミスiDという場で傷つけられている姿も見たし私も傷つくことはあった。ここは日本で、社会の延長線上でしかなく、そしてどこまでいってもそこには人間しかいない。

選考を進む過程で感じたものは希望よりも絶望の方が大きかったかもしれないです。社会や組織に個人が打ち勝つことの難しさ、持ち得る全てを尽くしても最後まで私の声が届かなかった場所や人。自分の無力さ。

それでも残せたものは、生まれ持った顔や身体つきの美醜ではなく、自分の心と、たくさんの人の技術とクリエイティブの結晶であるこの身体でミスiDの授賞式にまでたどり着けたこと、その姿をみんなに見せることができたこの現実。それは間違いなく私やきみにとっての希望だったと今でも確信しています。

最後にそういう希望を作ることができたのは、ミスiDやそれ以前からのたくさんの人との出会いがあったから。最初に「どこまでいっても人間しかいない」と言いましたがでも人生が変わる瞬間は大抵、誰かとの出会いによって訪れるから。一年前の私がそうだったように、ミスiDなんかやめときなよと言われてもそれでもエントリーせざるを得ないきみにせめて、そんな出会いや未来が待ってるといいなと、一ミスiDオタクとして今年も心から祈ってます。