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整形手術を選ぶ女の子について

私がどうしてここまでして「生身じゃなくてもいい」と言おうとしているのか、もう一つの大きな理由の話です。

普通に生きているだけで自然と整形経験のある女の子の話を見聞きすることが多い時代です。
整形手術の結果なりたい顔で生きていけることそのものは間違いなく素晴らしいです。だけど整形経験がある女の子がよくその動機として語るのは、容姿について悪く言われたことやけなされたことがその強い動機となったということ、そういう話を本当によく聞きます。

そう聞くたびに私は、「なんで人の顔を中傷して心に深い傷を負わせた人は何の痛みもなく生きていけてて、そう言われた側の女の子が心の痛みを和らげるために多額の金銭的負担とリスクを負ってまで肉体的な痛みの伴う手術を受けなきゃいけないんだ?」と思います。彼女に「自分の容姿は美しくない」と思わせた全てがそもそも存在しなければよかったのに。
だからってこんな狂った世の中で、彼女に「傷つくな、元の顔のまま戦え」なんて全然言えないし思えない。
「美しくない顔なんか一つもないのに他人の尊厳を傷つけるお前の神経や感性だけが醜い」と私がいくら叫んだところでそんなの誰にも聞こえてない。

彼女の整形を決意させるほどの心の痛みや実際の肉体の痛みをわかることのできていない私は彼女に本当の意味で寄り添える言葉を持てなくて、別に現実の肉体の代替にアバターがなり得るなんてこれっぽっちも思わないけど、私がようやく手に入れた言葉が「もうそんな風に他人の尊厳を奪う化け物のいる世界からは一緒に逃げよう。せめてインターネットでだけでも」しかなかっただけです。