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MANABIYA Report vol.02【篠原祥さん】

2017.4.27(木)19:00~21:00/00.Work Shop space & Office

『学びがつなぐ出会いの場~月1セミナーの始まりと広がり~』
チームひめまち喫茶メンバー 篠原 祥さん

1.まちづくりに関わるきっかけ

大阪ガスから住宅・都市整備公団(現UR都市機構)に出向し3年間都市開発に関わる。大阪ガスに戻ってからも、まちづくり分野の必要性を訴え数々の都市開発プロジェクトに関わる(USJ,うめきた初期)

阪神淡路大震災により数々のハードがもろくも崩れ去る光景を目の当たりにし、ハード整備の限界を感じる。

震災復興のプロセスでハード+ソフトのまちの必要性を認識された。

大きな出会い:大阪大学の鳴海邦碩先生&都市大阪創生研究会

メンバー同士でさまざまな活動に関わり成果を上げていく。
会社の辞令により縁もゆかりも無い姫路に転勤。しかし、姫路にはまり姫路でのさまざまな活動を行ってきた。
→姫路での活動の一つが「ひめじまちづくり喫茶」

2.自立的活動の意味

(1)都市の魅力と引き出し方(今までとこれから)
よく知られている魅力(メジャー)↔埋もれている魅力(マイナー)
例えば:堺市では路面電車、サッカー日本代表の練習場、コブクロ活動発祥の地(ファンの聖地)

埋もれている魅力は各都市にある。

メジャーとマイナーの魅力を説明する理論として・・・・『ロングテール理論』

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ヘッド(メジャーな魅力):世界遺産、国宝、など
商業ベースに落とし込みやすく、黙っていても発信できる
テール(マイナーな魅力):使われ続ける古い町など
手作り発信の活動(誰かが発信し続ける)

●テールの必要性
成熟社会、価値観の多様化、都市間競争、市民参加といった
社会の変化により、めんどくさい活動が必要となってきている。

(2)大阪での活動
①大阪ええはがき研究会
大阪のええトコが紹介されたはがきがない。誰かがしないなら自分たちでしよう。

ええはがき・・・・自分がいいと思うところのスケッチ、場所を表示、作者のコメントの3点セット
ええはがきの伝え方:中央公会堂などこだわりの場所で展覧会を開催(活動の賛同が得やすい)

阪急電鉄とコラボレーションにより阪急沿線の魅力を伝えるツールとして活用されている。

②三休橋筋愛好会
三休橋筋:御堂筋と堺筋の間にある隠れた魅力あふれる通り
会社が異なる5人による活動(まちあるき、マップづくり)が大阪市に伝わり電線地中化・歩道拡幅に発展。
大阪ガスを中心とした地域の企業がガス灯を寄贈。

③都市大阪創生研究会
複数の企業が若手を出し合い大阪を研究し報告書を提出する会だった。
しかし、提出するだけで事が動いていない。地域に発表会をして動いてもらえないか?→やっぱり動かない…

自分たちでする!提案書に書いてあるPJのうち、いくつかを実施
・リバーカフェ(2週間の社会実験)
赤字覚悟が大成功!
法的手続きの整理を実施していたので数多くのノウハウを有していた。大阪21世紀協会に伝わりさらなる発展。

④御堂筋まちづくりネットワーク
金融街であった御堂筋はPM3時以降シャッターが閉まる閑散とした通りであった。風格を残しつつ新しいマチに変えていく。民間活動から行政に活動が伝播し現在はイルミネーションが行われている。

(2)姫路での活動
(ヘッド)姫路城の魅力:改修工事により魅力が損失
(テール)新たな姫路の魅力:姫路のマチに新たな魅力創出が叫ばれていた時に転勤

テールを必要としていたときに転勤。大阪での活動が活用できるのでは?
・姫路のええはがき・まち歩きマップを作成
→発信することにより、さまざまな方面から声がかかり、活動の幅が広がった。

①姫路観光コンベンションビューロー魅力発掘WT
姫路の面白い人が集まり、マップづくりをきっかけに様々な活動を実施。
姫路市長、姫路市からもマップ作成の依頼。

②姫路駅前広場活用協議会
作った駅前をどうやって使うか検討するプロジェクトチーム(現在は一般社団法人化)みんなの参加意識が高まっている。

(3)大阪・姫路での活動の成果
さまざまなメディアに取り上げられ、シンポジウムの登壇も。
活動の成果として、本を3冊出版。→活動を大きく発信することができた。

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3.ひめじまちづくり喫茶の活動

(1)ひめじまちづくり喫茶の立ち上げ
・既存団体以外の新たな活動の場
・自律的なまちづくり活動への思い(大阪は自分たちでやる。姫路は行政に頼る部分が大きい)
・姫路の若手と一緒に新たに100%自律的な活動の場を作りたい(姫路を離れても継続できる活動)

●ひめじまちづくり喫茶の立ち上げ
【モデル】都市環境デザインセミナー(JUDI)関西ブロック)
→約20年間の資料がWEBにアップ、膨大な資料
【仮説】「人の出会い→刺激→交流→自律的な新しい動き→姫路まちなかの魅力アップ」

(2)これまでのゲスト
これまでの活動によるネットワーク、メンバーのネットワークを使って様々な分野のゲストが登壇。これまでに52名のゲストが登壇され、ゲストがゲストを推薦するなど広がりを持っている。

(3)ひめじまちづくり喫茶から得たもの
【keyword】
・自らやる活動、まちづくりは楽しい活動、市民がしなければならない遊び
・商工会議所がコディネーター機能を発揮
・まちを消費してはダメ
・宣言して自分を追い込む
・かっこいいライフスタイル、デザインの力が必要
・「No But」ではなく「Yes And」の考え
・地縁のない好奇心旺盛な市民ならフラットでオープンなまちが出来る
・情熱的に行動する人、まあまあと言う人、応援したい人の3人が集まればなにかが動く
・自治会は行政の下請けではない。きっかけがあれば参加してくれる。
・まちを面白がる人を集める。

【これまでの活動から】
①固有の資源に着目した都市の魅力アップ
②自ら考えること、行動すること
③中身優先(枠組みはあとから)
④つながり、連携し、共鳴すること
⑤そのための「場」づくり

【ひめじまちづくり喫茶から】
①おもしろがる
②緩やか、自由
③デザイン、かっこよさ
④意思、宣言
⑤担い手の多様性
⑥人材育成、世代交代

【座右の銘】※あえて言うなら、『継続は力なり』

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4.感想・意見交換

(1)まちづくり活動について
・話題提供で良かった点「数人の特色の違う人が集まると何かできる」
・行政と市民が向き合うのでは無く、同じ方向を向けるように活動していきたい。
・住民主体のまちづくりと言いながら公共的な視点から抜け出せないが、今日のような視点で活動をしていきたい。
・「面白がる」ことが得意なので、面白がりながら活動を続けていきたい

(2)加古川の魅力について
・加古川には一つの大きな魅力があるわけではないが、小さな魅力を集めてマチがよくなれば面白くなるのでは。
・加古川と姫路の距離感が良い感じ。
・加古川の良いところを知っている人が増えると、加古川が良くなると思う。自己紹介の時に「加古川から来ました」ってみんなが言うようになって欲しい。

(3)「MANABIYA」、「00」について
・『00』は商店街の角にあり、ガラス張りで中が見やすく、ふらっと入りやすい良い環境にある。
・行政も出来るだけ市民活動の場に参加して欲しい。
・普段関わらない人と関われる場が加古川にできたのが良い。これからも続いて欲しい。

5.振り返って

篠原さんのお話はさまざまなキーワードに満ちたお話でした。続けることによる大切さ、そこからの学び。さまざまな出会い
と活動。また、活動の経験を生かして地域ごとにアレンジする発想は、小さな活動の連続が大きなイノベーションに発展していると感じます。楽しみながら多くの事を経験し、仲間が増えていく様は見習うべきところが多数ありました。

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6.参加者からのラブレター

NPO法人 無所属 一般人:加古川の小市民 さん(MANABIYAの名物おじさん)

仕事帰りにぷらっと立ち寄れ楽しく面白く学べる場所

ゲストスピーカー篠原氏は、ロマンスグレーが似合う素敵で気さくなオジサン。でも、凄い人物。(知らんけど。笑)
先ずは、継続。楽しく・面白く学ぶ!

主催者は、仕事柄勉強会でNPO法人の方々との交流を深めたかった?私の周囲は、議題関係の方々・藤輪氏の同僚。
講師説明の後半、小グループに分かれ自己紹介&討議。(一般人は辛い、討議より講師に質問した方が早いのに!)

討議後、少しの質問タイム。閉会後、希望者のみで酒場にて交流会。車の私は、ノンアルコール飲料&つまみ。
この頃、各自精算。以後、割勘。(藤輪氏、飲み過ぎ!ご苦労様!)

私、知らない事・自分の常識が非常識?探求をしています。

疑問は、講師に質問し納得する。最初に、くだらない質問。
このきっかけで『誰もが疑問を講師に投げかける』雰囲気作り。

他所では、講師の話のみ・関係者の難しい質問、これでは!こんなの『学び』では無い。誰もが疑問をクリアにする!誰もが、学びが出来る『学び舎』。ここなのか?

主催者は、参加人数10名以上集めないと持出です。
楽しく・面白く、時には美味しい試食ありの学びです。
最近、一般人の割合、増えました。☆『継続は力なり』

全部で3716文字でした。(タイトル除く)

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