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サントリーホールで都響の定期演奏会を聴いたこと、映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」を観たこと

昨年の暮れあたり、東京都交響楽団からダイレクトメールを受け取り、そこには「これは、事件だ!」と書いてありまして、

どんな「事件」なのかというと、現代音楽の作曲家ジョン・アダムズが来日し、自分の曲を自身の指揮で演奏することとなり、これは日本の交響楽団にとって初めてのことなので、都響にとっては「事件」である、ということなのです。

でも、現代音楽の知識が足りない私としては「ジョン・アダムズって誰?」といった有りさまで、やむを得ずウェブ上で手当たり次第調べてみたところ、ジョン・アダムズの情報は割に多くて、

都響のサイトだけでも、サウンド&ヴィジュアルライター(前島秀国さん)の記事、インタビュー動画、指揮者(アラン・ギルバート)が解説する動画など、豊富な資料が用意されています。

そして、ジョン・アダムズが現代音楽というジャンルの中でどれくらいの人気なのかというと、ひとつの指標として(欧米での)演奏回数に着目すると、

1位:アルヴォ・ペルト
2位:ジョン・ウィリアムズ
3位:ジョン・アダムズ

となるそうで、ジョン・アダムズは現代音楽としては第3位、(私が知らなかっただけで)演奏機会の多い人気の作曲家といえます。

2024年1月18日(木)19時開演、

サントリーホールで行われた東京都交響楽団第992回定期演奏会Bシリーズ、

出演は、
ジョン・アダムズ(指揮)
エスメ弦楽四重奏団+都響(演奏)

プログラムは、
ジョン・アダムズ作曲:
 (1) アイ・スティル・ダンス(約8分)
 (2) アブソリュート・ジェスト(約25分)
 ーー休憩ーー
 (3) ハルモニーレーレ(約40分)

写真付きで音楽評論家さんによる記事があったのでリンクします。

この記事の2枚目(中央あたり)の写真が「(2) アブソリュート・ジェスト」を演奏中の様子で、ジョン・アダムズの周辺をエスメ四重奏団の4名が取り囲み、その後ろで都響が演奏しています。

写真をよく見ると、エスメ四重奏団にマイクが向けられています。これは、演奏を収録するためのものかと思っていたのですが、この記事によると”音響”によって弦楽四重奏とオーケストラのバランスを整えていたようで、つまり、エスメ四重奏団の演奏はスピーカーで拡声させていたということなのでしょう。コンサートホールにいながらにして気が付きませんでした。すべて生音だと思っていました。

12音技法とミニマル音楽の影響を受けながらも調性を否定せず新ロマン主義的と呼ばれ、古典であるベートーヴェンの弦楽四重奏曲を取り込むなど(リハーサル風景はこちら)、現代音楽なのだけれど聴いて楽しく、ミニマル音楽的な繰り返しも迫力があり、繰り返しが徐々に変化してゆく様子も心地よく、最高の体験「事件」でした。

古典を織り交ぜた現代的なものといえば、

2024年1月19日(金)、

この映画を観てきました。

映画の広報という仕事で妻がサン・セバスチャン映画祭に参加するのを夫として同行する主人公が、映画祭中に何かを失い、何かを得る(というふうに私は解釈しました)という映画です。

途中、古典的な映画の場面を思い起こさせる白黒の映像が入り、往年の映画ファンにとっては嬉しい場面かもしれませんが、私のように、古い映画などに全く興味のない者にとっても、単なる夢のシーン、空想するシーンとして楽しめました。


「人生は無意味」
(この記事も無意味)

でも

「無意味は空っぽとは違う」
(1,464文字)


(詳しくは神戸新聞社のウディ・アレン監督インタビュー記事でどうぞ)


読んでいただき、ありがとうございます。

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