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一句《アンコール5曲目リスト 春の鐘》ミューザ川崎、ブルース・リウのピアノ・リサイタルへ行きました

2023年2月は若手ピアニスト8人の独奏を聴きました。

8人とは、

(1) 藝大修了後留学した 梅田智也ともやさん
(2) 藝大4年の     永井希望きぼうさん
(3) 藝大修士1年の   村上智則とものりさん
(4) 藝大卒業後留学中の 秋山紗穂さほさん
(5) 藝大修了した    髙井玄樹げんきさん
(6) 桐朋卒業後留学した 野上真梨子まりこさん
(7) 藝大修了した    水谷桃子ももこさん

名門の藝大に桐朋学園大の面々、そして、

(8) モントリオール大学の ブルース・リウ


(1)〜(7) は、

2023年2月1日水曜日16時、

銀座のヤマハホール「若手ピアニストによるジョイントコンサート

(8) は、

2023年2月21日火曜日19時、

ミューザ川崎シンフォニーホールの「ブルース・リウ ピアノ・リサイタル」で聴きました。(演目アンコール曲


(1)梅田さん〜(7)水谷さんはジョイントコンサートの後、揃って「高松国際ピアノコンクール」に出場しています。(3)村上さん、(5)高井さんのお二人が一次審査(上位20名)を通過し、優勝はフィリップ・リノフという24歳のロシア人ピアニストでした。

とはいえ、(1)梅田さんも、(2)永井さんも、(3)村上さんも、(4)秋山さんも、(5)高井さんも、(6)野上さんも、(7)水谷さんも、そして(8)リウのピアノも、よかった!

と、感想として「よかった!」しか書かないような軽薄さ、ひとりに絞らない浮気心、衝動で行動するふとどき者、となると少し私にあてはまります。

こういう者をいましめるオペラ作品というのがありまして、モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」などは、その最たるものでしょう。


そんな「ドン・ジョバンニ」作品で特に私の記憶に残っているのが、2019年1月27日に、東京芸術劇場で井上道義さんが総監督をした、モーツァルトの(ダンス付き日本語版)歌劇「ドン・ジョバンニ」です。日本語による歌詞も、森山開次振付のダンスもわかりやすく、それを支える読響の演奏はすばらしく、楽しかった。

(約3時間と長いですがYoutubeに舞台を収録した動画があります。興味のある方はどうぞ、こちらです)

私はこの歌劇を観て「ドン・ジョバンニ」の理解が深まったところで、偶然、タイミングよく村上春樹さんの小説「騎士団長殺し」を読むことになります。

この本に出てくる騎士団長がドン・ジョバンニが心をよせる女性の父親で、ドン・ジョバンニに殺された後に超常現象によってドン・ジョバンニを懲らしめるという、そんな騎士団長と関連しているか否か微妙なところですが、いずれにしろ、この辺を知って読むのと知らずに読むのでは小説の印象もだいぶ違ったと思います。

そんな井上道義さんにも村上春樹さんにも影響を与えているモーツァルト「ドン・ジョバンニ」ですが、ショパンやリストへも影響を与えています。ショパンは1830年頃に『モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の”お手をどうぞ”の主題による変奏曲 Op.2』という曲、リストは1840年頃に『ドン・ジョヴァンニの回想 S.418』という曲を作っています。


そして、ブルース・リウのピアノ・リサイタルについてですが「ドン・ジョバンニ」に影響を受けたピアノ曲、ショパン「Op.2」とリスト「S.418」がリサイタルの核となっています。

しかも、ショパンのピアノ・ソナタ第2番「葬送」もプログラムに入っていたり、リストの曲「S.418」はドン・ジョバンニに殺された騎士団長による(呪いの言葉)「お前の笑いも夜明けまでに終わるだろうよ」に始まったりするので、ブルース・リウのピアノ・リサイタルは最高にドラマチックです。

よけいな一言かもしれませんが、
書かずにはいられません、
ドラマチックな仇討かたきうち、
ブルース・リー主演の映画、
    「燃えよドラゴン」みたい!


最後に、

ブルース・リウのピアノ・リサイタルは満席、
観客の9割以上が女性、
アンコールの後は
スタンディングオベーションでした。


読んでいただき、ありがとうございます。

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