N響定期公演「スクリャービン ピアノ協奏曲」を聴いてきました
日本初の軍楽隊が発足したのは1871(明治4)年、日本初の日本語讃美歌集が発行されたのが1873(明治6)年、日本初の皇室による西洋音楽への取り組みが1874(明治7)年、日本初の西洋音楽教育を目指して音楽取調掛が設置されたのは1879(明治12)年、明治以降この4つが西洋音楽を日本へ伝えた主なルートだったようです。
(玉川裕子さんの著書「『ピアノを弾く少女』の誕生 ジェンダーと近代日本の音楽文化史」より)
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チケットを取るのが下手な私ですが、やっと「最もチケットの取れないピアニスト」反田恭平さんの生演奏を聴く機会に恵まれました。
渋谷のNHKホール「N響定期」いつもの3階席、一番うしろの列、ほぼ中央の席です。SABCDE席というランクでいうと最安値の「E」、ずぅ〜っとこのあたりで聴いてきた私にとっては最高の席。
少し前にワンランクアップした「D」席のチケットを取ってみたところ、ほんの少しステージ側へ席が移動するのはうれしいけれど、なんだかいつもと違う違和感を感じたのです。
何が違うのかというと会場の照明。
「E」席は、後方なので照明は全くあたらず、周りの方々もシルエットとしてしか目に入らず気にならないのですが「D」席となると頭上からの照明が案外明るくて、ステージよりも自分の周りがよく見えてしまうのです。私としては周りの方々が気になって気が散ってしょうがない。
でも、会場の照明が明るめなのは「S」や「A」の席でも同じでしょうから、私以外の観客は気にしていないことなのでしょう。けれど私にとっては大問題、やはり、慣れ親しんだ席、私にとっての特等席、日の当たらないというか、照明の当たらない、存在感の薄い影のほうからひっそりと、こっそり鑑賞するのが心地よいのだと納得します。
そんな「E」席でしっかり反田恭平さんを見て聴いてきました。
ん?
座席の話などどうでもいいから、早く反田恭平さんの様子を伝えろ、と・・・
はい。
公演:第2013回 N響定期公演 Aプログラム
日時:2024年6月8日(土)18時
場所:NHKホール
指揮:原田慶太楼
演奏:NHK交響楽団、反田恭平(ピアノ)
曲目:スクリャービン(1872-1915)作曲
・夢想 作品24
・ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 作品20
・交響曲 第2番 ハ短調 作品29
2曲目に反田恭平さんが登場します。舞台の袖口からやや大股で舞台中央へおおよそ16歩で移動、コンサートマスターと握手をかわし、客席へ約1秒おじぎをした後、イスへ座り、イスの位置を微調整して演奏開始です。
なるほど、小学生の頃「ピアノは趣味で、サッカーが本業だった」とご自身の著書で明かしているとおり、ピアノを弾く所作にスポーツ万能だった無邪気でやんちゃな少年時代の様子が容易に想像つきます。
さらにピアノ演奏の静と動の呼吸や、軽快な速弾き、巧妙な駆け引き、全体重をかけて鳴らす重低音など、さながらアスリートを見るように、ピアノを演奏するためにこういう身体の使い方もあるのかあ、としきりに感心しながら演奏を聴きました。
演奏されたスクリャービンのピアノ協奏曲は、スクリャービンが24歳頃に作曲した作品でショパンの影響が大きいらしく、評論家や音楽通の方々は、この曲をどれくらいショパン風に弾くかというのも聴き所のひとつだそうです(この点はごめんなさい、私にはよくわかりませんでした)。
ショパン風か否かよりも、もっとわかりやすく単純に感じた反田恭平さんの特徴をひとつ挙げるとすれば、それは「音がデカイ!」ということ。
ピアノ協奏曲のフィナーレでオーケストラとピアノが同時に大音量で鳴らした最後の音が「グワ~ンワ~ンワ~ン・・・」とうねるようなピアノの低音の余韻を残し、指揮者の腕が降り、ピアニストがペダルを離し、音が途切れる瞬間が、しっかり最後部座席に座る私に伝わってくるくらい明瞭で大きな音でした。
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最後に、
日本初の軍楽隊設立から約150年後の2021(令和3)年、
日本初となるオーケストラの株式会社がジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社(Japan National Orchestra Co.,Ltd.)として奈良県奈良市に設立されたそうです。
反田恭平社長、応援しています。
読んでいただき、ありがとうございます。
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